第十一章『Alice in the Garden《スノーリリイ》』【1】 ページ12
そうしてユリーから話を聞いたことにより―――――
「・・・そっか・・・お父さんに家を出るなって言われてんのか・・・」
御園に電話が繋がらなかった理由が明らかになり。
「でも御園はこっちに来たいと思ってるんだな? 御園がそう思ってるんならシンプルに考えて手を貸しに行かなきゃだよな!」
そう結論を出した真昼に「当然」と鉄も同意を示したことにより、ユリーを有栖院邸に送り届けに行き、そこで御園と話をという流れに決まったのだが―――――。
「・・・・・・ってこれは無理あるだろ!!」
歩いて向かうには距離が在る事から自転車を利用して向かうことにしたものの、調達できたのは一台だけで、それにまさかの5人乗り?! という展開となり。
前カゴに黒猫が、自転車の運転を真昼が、ユリーは真昼の肩に乗って、その後ろには頭に蝙蝠を乗せて棺桶を抱えた鉄が背中合わせで跨っている状態で。
必死に真昼が踏ん張ってはいるものの、気を抜けばすぐにでも倒れてしまうだろう。
「あんたのホウキとか乗れねーの?」
飛べねーの? と微かに眉を顰めながら鉄が真昼に尋ねかけてくる。
真昼は、うっ・・・と言葉を詰まらせると、
「あれはまだ一人乗りもまともにできないから・・・!!」
そう答えた真昼の中に自転車を利用する前に浮かんだもう一つの移動手段は、瑠璃の『鍵』の力で、有栖院邸に空間転移するというものだった。
けれどC3での件から日を置かずして、椿達の動きが本格的なモノに変わり。
きちんと休めていないのではないだろうかと、内心では気がかりに想う処もあり。
合流する場所は『有栖院邸の前』と自転車に乗る前に瑠璃には連絡をしたのだ。
「しょーがねぇ、行くぞ!!」
そうして腹を括った真昼は気合いを込めてそう叫ぶと、できるだけ人通りが少ないところを選んで、ふらふら・・・と自転車を漕ぎだしたのだった。
※占ツク転記/19/8/18
【本館/19・8/18/別館/19・8/18掲載】
朱臣繭子
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有栖院家編、開幕致しました。そしてこの度、お気に入り作者登録が60になりました!!
幻でも見ているのだろうかと思いましたが、現実でした!!!
本当に有難う御座います!!
その時々の事情で今後も更新はペースは変わってしまうと思われますが、これからもどうぞよろしくお願い致します。
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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2019年8月7日 23時