第十三章『消せない罪』【１】 ページ23
『吸血鬼！？』
『日光を浴びせると人の姿ではなくなります』
『兵器か？』
『不老不死だ、調べあげろ』
とある国の王の前で兵士によって捕らえられてしまったロウレスの姿。
そして―――――
縄に縛り付けられた状態で、城のバルコニーの真上から吊るされて、日の光を浴びたことによりハリネズミの姿に変わってしまったロウレスの元に一人の少女が近づいてきた。
少女はそっとハリネズミの元に近づくと、縄を外そうとしたのだが、警戒心が剥き出しになっていたハリネズミは反射的に身体の針を鋭いものに変えていた。
結果、少女の掌は傷付き血が流れだしてきていた。
けれど、少女は悲鳴を上げることはなく、目の端に涙を浮かべながらも、真っ直ぐに目を逸らすことなくハリネズミの事を見つめ続けていた。
そこで少女に対し、申し訳ない事をしてしまったと感じたハリネズミは、針を立てるのを止めて、血だらけの手にそっと身を任せた後。
解放された処で、人型に戻ると自分の事を助けてくれた少女―――――この国の王女であった『彼女』と主従の契約を交わしたのだ。
「―――――・・・・・・今、見えたのって・・・・・・」
呆然と瑠璃が目を瞠りながら呟くと―――――。
「�爛潺好肇譽広瓩舛磴鵝�あんたもその身体に流れてる�犒譴硫礎有瓩鮟�けば、こうしてオレの手を振り解く事さえできない、ただの『無力な女の子』なんスよ」
クルッと振り返ってきたロウレスは、仄暗い瞳でそんなふうに告げてきて。
パッと掴んだままだった瑠璃の左腕を離すと―――――
―――――バンッ
突如として、ホール内は暗転し―――――
―――――王の良心を掴むには劇こそまさにうってつけ―――――
The play's the thing Wherein I'll catch the conscience of the king
「兄さんの主人も、それに�爛潺好肇譽広瓩舛磴鵑癲�な―――――んにも知らないみたいっスからオレが楽しく教えてあげるっスよ！」
ロウレスによる一人芝居の劇の幕が上がることとなったのだ。
※占ツク転記/20/2/26
【本館/20・2/26/別館/20・2/26掲載】
★20/4/4 加筆修正
朱臣繭子
＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋
今月、3回目の更新をすることが出来ました・・・。
このタイトルで、暫くはお話を進めていく予定です。
第十三章『消せない罪』【２】→←第十三章『消せない罪』【１】
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マユ(プロフ) - 楓さん» 前作に続き、今作にもコメント下さいまして有難う御座います。ロウレスが夢主にオフィーリアの姿を重ねる話は他の方も結構書かれていたりする為。お約束は出来ませんが・・・・。今作も頑張って書き進めていくつもりですのでお付き合い頂けましたら幸いです！ (2020年2月15日 18時) (
レス) id: aafe96c388 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 今回のもとても面白かったです！出来ればなのですが、夢主さんをオフィーリアと似ているって思うロウレスって出来ますか？この小説とても面白いので、頑張って下さい！ (2020年2月15日 10時) (レス) id: ccd9ca707d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱臣繭子 | 作成日時：2020年2月15日 1時
