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第十三章『消せない罪』【1】 ページ16

「こんなとこまで何しに来たかと思えば・・・入れもしないコンサートとか・・・」

「でも、クロ。今日を逃したら、ロウレス君とリヒト君ともう一度。話をするチャンスが無くなっちゃうかもしれないでしょう?」

 真昼の頭の上に乗ったまま呆れた様子で呟いた黒猫を瑠璃は眉を下げながら見つめる。

 ―――――クロはロウレス君ともう一度会うのは、気が進まないのかもしれない。

 ―――――だけど、今度こそちゃんと話を聞いて貰うことが出来れば・・・・・・。

 ―――――・・・・・・その為にもやっぱり『鍵』を使って会場内に入るしかないかしら。

 と―――――

 胸元の『鍵』をギュッと瑠璃は握りしめながら逡巡すると、それにより瑠璃の考えを察した黒猫は「向き合えねー・・・・・・」と漏らしたのだが。

 それを耳朶に拾った真昼が「お前も少しは考えろよっ」という突っ込みをした処で。

「キミたち、そこで何してる?」

 背後から聞こえてきた第三者の声に、慌てて真昼と瑠璃は振り返ると、そこに居たのは金髪を緩く三つ編みにして、サングラスをかけた外国人男性で。

「わっ」と真昼は思わず驚きの声を漏らすと、

「すみませんっ、俺達・・・えと・・・」

「リヒトのコンサートを聴きに?」

 動揺しながらも言葉を紡ぎ出そうとした真昼に、外国人男性は流暢な日本語で尋ねかけてきたのだ。

「私達、チケットはないんですけど。どうしても轟さんに会って話したいことがあってここに来たんです」

 そこですかさず瑠璃が真摯な眼差しで外国人男性を見据えながら想いを口にすると。

 それに応えるようにサングラスを外した外国人男性は、

「そうか! キミたちも、もしかしてピアノを?」

 顔を綻ばせながら真昼と瑠璃を見遣り。

 それに対し、いや・・・と真昼が言葉を濁すも、特に気にした様子はなく。

「でも最終日の今日は主催の関係者がメインなんだよなぁ・・・。リヒトのピアノは君たちみたいな若い子にこそ聴いてほしいんだけど・・・」

 う―――――んと暫しの間、外国人男性は逡巡する様子を見せたのだが。

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マユ(プロフ) - 楓さん» 前作に続き、今作にもコメント下さいまして有難う御座います。ロウレスが夢主にオフィーリアの姿を重ねる話は他の方も結構書かれていたりする為。お約束は出来ませんが・・・・。今作も頑張って書き進めていくつもりですのでお付き合い頂けましたら幸いです! (2020年2月15日 18時) (レス) id: aafe96c388 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 今回のもとても面白かったです!出来ればなのですが、夢主さんをオフィーリアと似ているって思うロウレスって出来ますか?この小説とても面白いので、頑張って下さい! (2020年2月15日 10時) (レス) id: ccd9ca707d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱臣繭子 | 作成日時:2020年2月15日 1時

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