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第二章『蝶と椿』【2】 ページ44

男の面差しは、小顔で綺麗という言葉が当てはまるのだが、和装なのにも拘らず、瞳だけを隠すように、掛けているサングラスが何か引っかかる。

「最近で一番面白かったことが聞きたいな」

 そう声を掛けてきた男からサングラス越しに向けられた視線に、まるで蛇に睨まれた蛙のごとく、瑠璃と真昼が答える事が出来ずにいると―――――・・・・・。

『ある日、少年と彼女は黒猫チャンを拾いましたァ〜。でも実はそれは、超強〜〜〜い吸血鬼だったのです〜〜〜。力を得た少年と彼女はァ、ムカつく手品師をブッ殺しましたァ〜。おしまいッ★』

 もぞもぞと真昼のリュックが蠢き、代わりに話を語りだしたのは、そこに押し込められていたぬいぐるみだった。

「・・・めんどくせー予感がする・・・」

 瑠璃の腕の中に抱かれていた黒猫が、身体を竦めながら言った。

 この黒猫とリュックの中の喋るぬいぐるみの正体は『吸血鬼』。

 そしていまや隔絶された白い世界に居るのは、吸血鬼と関わりを持っている真昼と瑠璃と突如として現れた得体のしれない男だけ。

 ならば、そこから導き出される答は―――――

「嘘だろっ、まさか、またっ・・・」

「吸血鬼・・・」

 愕然となった真昼に続き、呟くように瑠璃がそう言うと、相対していた男の口元が不気味な弧を描いた。

「あはっあははははっあははっあははははあはっあはっあはははは!!あはははははっ」

 刹那、男は喉が張り裂けんばかりの勢いで、狂ったように笑い出したのだ。

 その異様な姿に、真昼と瑠璃は思わず立ち竦んでしまう。

「あ―――――――――――・・・面白くない」

 しかし、一頻り笑い終えた時、虚空を見上げながらそう言った男の瞳は、冷め切ったもので。狂気から一変して冷然となった男の異様な態度に、黒猫はますます瑠璃の腕の中で身を縮みこませてしまう。

 そんな黒猫の姿を見て、真昼が眉を顰めながら声を上げる。

「おいクロッ、いつまでそうしてるつもりだよっ。この変な奴、お前の知り合いか!?」

「し・・・知らね―――――・・・目がやべーよ。こいつ・・・」

「とりあえず、こっちにこいっ!」

 あくまでも、吸血鬼とは無関係の、愛玩動物として振舞おうとする黒猫を、いったん瑠璃から引き離すべく、真昼は腕を伸ばしていく。

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マユ(プロフ) - ルルさん» とても嬉しいコメント、有難う御座います! 現在、最新シリーズでは原作の二巻をベースに執筆中な為。傲慢組や強欲組の登場はまだ先になってしまうと思うのですが・・・。私も彼らとの話は書きたいと思っているので・・・。気長にお付き合い頂けたら幸いです! (2018年4月27日 22時) (レス) id: 6997652f0b (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - すごく面白かったです!傲慢組や強欲組との絡みもどうなるか気になりました! (2018年4月27日 20時) (レス) id: f9398f263f (このIDを非表示/違反報告)
マユ(プロフ) - AAAさん» こちらこそ、ご丁寧に有難う御座います。 (2018年2月20日 23時) (レス) id: 6997652f0b (このIDを非表示/違反報告)
AAA - 返信ありがとうございます! (2018年2月20日 22時) (レス) id: ad871f5681 (このIDを非表示/違反報告)
マユ(プロフ) - AAAさん» AAAさん、コメント有難う御座います!面白いと仰って頂けてすごく嬉しいです! シリーズはパート4まで掲載中です♪続編を見るから、次のシリーズに飛べますのでどうぞよろしくお願い致します! (2018年1月15日 21時) (レス) id: 6997652f0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱臣繭子 | 作者ホームページ:http://id28.fm-p.jp/14/Neovenetsia/  
作成日時:2017年5月21日 21時

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