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高槻先生のデスクを見ると、深町くんと私のレポートだけ別に置かれていた。


「これ…、」


深町くんのレポートには、【他人の嘘がわかるようになってしまった】と記述されている。もしかして、深町くん自身の体験…?深町くんが時折顔を顰めていたのも、しんどそうにしていたのも、全て辻褄が合う。


「こら、勝手に見ないの」
「深町くんのレポート、気になっちゃって」
「あぁ、『嘘がわかるようになってしまった』男の子のお話だね。僕個人としては『未来がわかるようになってしまった可哀想な女の子』のお話も好きだよ。昨年のものと文章が殆ど同じだったけど」


ネタ被りしててごめんなさい。あと軽率に好きだよとか言わないで、好きになっちゃう…。思わずにやける口元を手で覆うと、今日も柊さんは面白いね、と微笑まれた。


「いつも通り先生のことも見ましょうか」
「お願いしまーす」


手を合法的に握れるこの時間。いつまで経っても心臓はばくばくしてる。高槻先生、手が綺麗。そこも好き。


先程の女性、強面の健ちゃんさん、こっくりさんと藁人形…、あとは…誰かと水族館デートしてる。え待って、誰。


「えっと、コックリさんと藁人形が見えました」
「コックリさんと藁人形!なんて素敵な未来なんだろうね!柊さんありがとう!あぁ、今週も楽しみだなぁ…」


片手を握っていたはずなのに、いつの間にか両手で強く握られている私の手。


「せんせ、あの、手…」
「あぁ、ごめんごめん。また間違えてしまったかな」


慌ててぱっと離されてしまった先生の両手。今後1週間は手洗えない。またも脳裏に過ぎる、女性と謎の水族館デートの相手。未来は絶対じゃないんだから、私が今誘えば未来は少し変わるのでは?


「占いついでで水族館のペアチケットいただいたんですけど、よかったら一緒に行きませんか…私友達とかいなくて、行く相手もいないので」
「あはは、いいよ。休みの日にでも一緒に行こうか」


ごめんね、と断られる前提でお誘いしたので逆に私がびっくりしてる。え、じゃあもしかして私先生とデートの予定立ててもいいの?


予定を確認しようと携帯を起動させれば、もう1時間が経過しつつあって。慌てて高槻先生の研究室を後にする。


「楽しみにしてますね!先生とのデート!」


するりと口をついて出てしまった『デート』という単語。これで少しは先生も意識してくれないかな。

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ちくわ。(プロフ) - かふぇもかさん» コメントありがとうございます!不定期更新なのでお話をコンスタントにお届けすることが難しいのですが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします! (2021年8月24日 20時) (レス) id: eb81f6bdc7 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - こんにちは^ - ^いつも楽しく読ませていただいてます!(?)このお話毎日読み返してニヤニヤしてます(( (2021年8月22日 18時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちくわ。 | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream  
作成日時:2021年8月9日 0時

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