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「自分の気持ちとちゃんと向き合うのが吉、かな？」
「…そうですか」
深町くんがいる手前、嘘はつけない。見えた未来を出来るだけオブラートに包んで伝えると、下唇を噛んで俯いてしまった。やっぱり、今も思い当たる節があるってことだよね。
「あっそうだA先輩、この後先生と会うんですけど来ますか？」
「行かない。…もうこんな時間、深町くん、お邪魔してごめんね、綾音さん練習頑張ってね！」
ほんとは行かないんじゃなくて行きたくないんだけど。高槻先生のことは大好きだけど、今はちょっと会いたくない。でも行かないことは事実だからさっきの発言は嘘じゃないよ。
この二人どういう関係？とでも聞きたげな深町くんの友人(仮)にも手を振って、その場を後にする。今回の依頼、一癖も二癖もありそう。
・
暇だ。暇すぎる。研究室に来たはいいけど、教授は出張だし、先輩たちも今日はいなくて特にやることがない。手持ち無沙汰だ。いやほんとに何しよう。
ぎゅるるると響く私のお腹の音。そういや、お昼なんも入れてなかった。ここ最近コンビニご飯ばっかりだったからたまには学食でも食べようかな。
遅めのお昼なだけあって、学生の数も少ない。軽めのものを食べたくて、サンドイッチとケーキを注文。席どこにしようかなと食堂内をぐるりと一瞥すれば、視界に入った瑠衣子先輩と深町くん。あそこでいっか。
「瑠衣子先輩、一緒にいいですか？」
「いいよ、Aちゃんなら大歓迎」
口にナポリタンのソースが付いてたので拭ってあげる。やっぱり着飾ると綺麗なんだよな〜、先輩。時間がもったいないって言ってたけど、この素材活かさないほうがもったいないと思う。
ケーキ美味し。程よい甘みとフルーツの酸味がいいバランスだ。…本来なら先生とごはん、なんてこともあったのかな。あーぁ、デート行きたかったな。はぁ、と一つため息をついたとき。
「おまたせ」
高槻先生が隣に座ってきた。なんで高槻先生が…と思ったけれど、隣のテーブルの女子学生を見て納得した。山崎綾音さんと、陸上部の部員と思わしき女の子たち。
瑠衣子先輩の調査によると、大会出場を競うライバル、奨学金争いで負けた部員と、怪我で夢を断念したマネージャー…。どいつもこいつもきな臭いけど、今回は被害者自身の自作自演、のはず。この先の未来が変わらなければ。
綾音さんと彼女たちを見守りながら、最後のケーキを頬張った。うん、美味しい。
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ちくわ。(プロフ) - かふぇもかさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでお話をコンスタントにお届けすることが難しいのですが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします！ (2021年8月24日 20時) (
レス) id: eb81f6bdc7 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - こんにちは^ - ^いつも楽しく読ませていただいてます！(?)このお話毎日読み返してニヤニヤしてます(( (2021年8月22日 18時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ。 | 作者ホームページ：https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時：2021年8月9日 0時
