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私の未来が見える能力。何がトリガーとなっていたのかは不明。能力を得た時期の記憶が、丸ごとすっぽり抜け落ちている。
コレが未来が見えるものだって気づいたのは、両親の未来が見えてから。この記憶だけは、はっきりと、今でも夢に出てくるくらいに覚えてる。
私の両親は社内結婚で、私が産まれてからも、出張やら何やら忙しそうにしていた。
今月は珍しく二人で出張が被ったみたいで、楽しみだねと笑っていたのを思い出す。
おはようと、朝の挨拶を交わして母に抱きつくと、脳裏によぎった『大丈夫だ』と宥める父と、大きな衝撃音。どう考えても飛行機の墜落事故のようなもので。
まさかね、とその時は軽く受け流していたのだ。…あの時早く気づいていれば、助かるはずだったのに。
出張にいく二人を呑気に見送った私を殴りたい。今でも。『行ってらっしゃい』が両親との最後の会話になるなんて、想像もつかなかった。
その日のうちに学校に連絡が入り、両親が亡くなったと言われた。それ以降のことはぼんやりとしか覚えていなくて、当時はショックでこんな未来が見えたことも、両親が亡くなったことも忘れようとしていたんだと思う。
【未来が見える】ということを忘れた私は、思春期真っ只中の中学生時代、不用意な発言で友人を無くした。というか、避けられた。
数年たって、両親のことも、あの日見たものも、私が未来を見れることも、全て思い出して。高校では上手くこの能力を使って、カップルを量産させたり、とにかく人の役に立つようにと振舞った。
その結果、私は本当の友人を作る機会を失ってしまった。周りはみんな、私のことをラッキーガールくらいにしか思ってない。もちろん良くしてくれる人もいたけど、結局は私の能力さえあれば誰でもよかったんだと思う。
大学受験はなんとか乗り切って、この能力を上手く使って占いという名のお小遣い稼ぎをしている。いくつになっても、みんな自分のことは可愛いと思ってるから商売上がったりだ。
「＿＿＿まぁ、こんな感じ。おかげでろくに友達や彼氏も出来なかったけど、深町くんや高槻先生みたいな人に会えたのは、素直に嬉しかった。長話に付き合わせてごめんね」
「はは、先輩さっきから謝ってばっかり」
「だって…こんな話普通聞きたくないでしょ」
「俺は聞けて嬉しかったですよ」
さわやかに微笑む深町くん。そんなふうに笑ってるとこ、初めて見た。…少しときめいてしまったのは、きっと気のせい。
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ちくわ。(プロフ) - かふぇもかさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでお話をコンスタントにお届けすることが難しいのですが、今後ともこの作品をよろしくお願いいたします！ (2021年8月24日 20時) (
レス) id: eb81f6bdc7 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇもか(プロフ) - こんにちは^ - ^いつも楽しく読ませていただいてます！(?)このお話毎日読み返してニヤニヤしてます(( (2021年8月22日 18時) (レス) id: 586d3de0ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ。 | 作者ホームページ：https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時：2021年8月9日 0時
