好きになる以外の選択肢。

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足で稼ぐ民俗学院生こと瑠衣子先輩。先輩曰く、千夏ちゃんの治療は効果も出ていて、小学校にいた頃は楽しかったと言っているらしい。


私が昨日ようやく実験を成功させた裏で、何かと動いていたみたい。瑠衣子先輩のフィールドワーク、ほんとにすごいと思う。


「いじめの可能性はないようだね」


罪悪感以外に子どもの潜在意識下になりうるもの…うーん。でも、最近の子っておませさんが多いし、子どもって一括りにしちゃうところから既に間違ってるのかな。


「潜在意識じゃないとしたら、他に合理的な説明は思いつかないかな…残念ながら。これは正真正銘の怪異だよね！」


あっ、今の教授っぽい！先生っぽい！好き！！昨日、一昨日ってずっと研究室に引きこもってたので久しぶりの高槻先生。会えない期間で学んだけど、私やっぱり高槻先生が好き。定期的に会わないとダメみたい。


「…俺はあのクラスには何かあると思います。少なくとも、平原先生は児童たちが友達思いだとは思ってないです」


はっきりと言い切る様子をみる限り、彼の能力は本当だし、平原さんがどこかで何かしらの嘘をついていたのも事実。


「わかった。怪異以外の可能性も探ってみよう」


怪異以外の可能性…。必死に過去の記憶を遡り、コックリさんに聞いた質問を紙に書き記す。


・成績が上がるのか
・ピアノが上手になるのか
・犬を飼ってもらえるのか


確かこの三つだった気がする。


「高槻先生、女の子がコックリさんにした質問ってこれだけでしたっけ？」
「うん、そうだね。神倉さんの言っていることが真実なのだとすれば」


これだけ？そんなはずない。コックリさんをしたこと自体は忘れているけど、年頃の、ましてや今どきの小学生が恋愛関係の質問をしないはずがない。好きな男の子三人の名前が異なるものならば、【ち】【な】【つ】の文字を彷徨うことも頷ける。


「怪異以外の可能性、恋だと思います」
「恋！素敵な着眼点だね。よかったら詳しく説明してもらえるかな？」


うぅ、やっぱり顔が良い。運がいいんだか悪いんだか、1日まるっと全休なので紅茶でも飲みながらゆっくり説明させてもらおう。

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