役職があるからといって裕福とは限らない ページ7
「えぇと…、この度は大変な無礼を…」
私の役職(名ばかりだけど)を知ったからか、ものすごく気を使われている万事屋さん。そんな偉くないよ。
「気を使わなくても大丈夫ですよ、私も昨日から役職ついたので」
「昨日から?」
「はい。つい一週間前までは普通に田舎暮らしでした。両親が亡くなったので引き継ぎましたけど、意外と見たところカツカツっぽいですし、言うほど偉くはないのかなと」
現に、例の真選組に破壊された店舗の修理費、かぶき町に来るまでの移動費…その他もろもろあって口座のお金はうまくやりくりしてもあと2ヶ月弱持つかどうかくらいしか残っていない。
仕事用の預金口座残高と私の貯蓄預金を見せたら明らかに溜め息をつかれた。失礼では?
「借りつくってのこのこ帰れねぇし…仕方ねぇ、何か頼み聞いてやるよ」
「唐突ですね。うーん…、かぶき町に来たばっかりで何にもわからないことばかりなので、かぶき町の案内でよろしくお願いします」
そう伝えればそんなんでいいのかと喜ぶ万事屋さん。この人の案内で本当に大丈夫なのかな…と一抹の不安。
・
そうと決まればすぐ行かねぇと、と言われたので手短に身支度をして外に出る。
「仕事投げてきていいのか?」
「大丈夫です、この後他の店舗の見回りに行くので」
ずいぶん仕事熱心なんだな、なんて笑う万事屋さん。ちょっと楽しみなんて口が裂けても言えないや。
「じゃあ、そこの団子屋から行こうぜ。金ないから奢ってくんない?」
…ごめん、前言撤回。
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作者名:ぴ! | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2018年9月4日 0時