【銀魂】ラ〇ホ支配人とマダオ社長。 (ページ34)

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大人になっても心の中にサンタクロースページ34

出入口の前に常駐しているからか、眠ることもなく。むしろ目が冴え渡るほど微塵も眠気を感じない。寒すぎて。

冷たい風が頬を掠める。息を深く吸い込むと、鼻の奥がツンと痛む。うぅ、寒い。

銀さんと出会ったときもこんな夜だった。出会った、というよりは拾ったの方が正しいのかもだけど。

はあ、一刻も早く帰りたい。客足が衰える気配などなかったけれど、フロントをバイトくんに任せて足早に万事屋へ戻る。

こんなに空気が冷えているからか、空も澄んでいて。星も月も、いつもの数倍はきらきらと輝いて見えた。

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当たり前だけどクリスマスパーティーは終わっていて、お登勢さんのスナックも閉まっていた。

わかりきっていたことだけど、寂しいものは寂しく。とぼとぼと階段を登って玄関を開けると、中は真っ暗で。

みんな寝ちゃったのかな。居間に続く戸を開くといきなり電気がついた。眩しい、そう言おうとしたのだけれど。

「せーの！」

クリスマス衣装に身を包んだ万事屋三人を視界にとらえたかと思えば、一斉に放たれたクラッカー。

「A姐、メリークリスマスアル！ずっとみんなで待ってたヨ」
「みんなでって…、途中神楽ちゃん寝てたよね」

それは言わなくていいアル、と新八くんをシバいた神楽ちゃん。

「遅くまでお疲れさん。外、寒かったろ」

優しく私の頭を撫でるサンタクロースの衣装を着た銀さん。あれ、全然違和感が仕事しない。

「こんな遅くまで待っててくれてありがとう」
「当たり前ヨ、A姐のいないクリスマスなんてやったって意味ないネ」

さらっと照れるようなこと言っちゃって。可愛いなもう。

「ほらほら、クリスマスなんですから美味しいもん食べましょう！」

てきぱきとクリスマスパーティーの準備をする新八くん。きっといい旦那さんになれるんだろうなとか、そんなことを考えたり。

「一番いい日本酒貰ってきたから後で飲もうぜ」
「銀さん…それお登勢さんからAさんにって言われたやつですよね」

余計なことは言わなくていいから、とあせる銀さん。

「とりあえず乾杯しようヨ、私の喉がカラカラになってしまうネ」

仕方ねぇな、なんて言いながらグラスを傾ける二人。

「神楽ちゃん、新八くん、銀さん。メリークリスマス！」

かちゃん、と高い音が重なる。楽しいクリスマスパーティーになりそうだ。