毎日あなたの味噌汁が食べたいとか言うけどたまにはスープも必要 ページ26
「つーことで、御用改めでぃ」
気怠げな沖田さんの号令でたくさんの隊士が突入。美味しいとこだけ持ってきやがって、なんてぶつぶつ言ってるのが丸聞こえだけど。
「来るのが遅いネ、ウ○コでも漏らしてたアルか」
「お前が捕まるのが早かっただけだろぃ」
喧嘩をしながらも共闘する二人。仲がいいんだか悪いんだか。私を拘束してた天人もいつのまにか斬られていた。
「誘拐罪と脅迫罪と恐喝罪…その他諸々でてめぇら全員逮捕な」
無情にもがちゃがちゃ手錠をかけ、連行していく真選組。後で事情聴取に行かなきゃいけないらしい。面倒だけど仕方ないよね。…、そんなことよりも。
「なんでわざわざ助けに来たんですか」
生憎、今の私は素直にありがとうなんて言えるほどかわいい女じゃない。ましてやみんなを危険にさらした責任は私にあるというのに。
「なんでって、あんな泣きそうになって名前呼ばれたら…ねぇ?誰でもそうなるって。なぁ新八?…あれ、新八くぅん?神楽ちゃぁん?」
みんな先に戻ったようで。あいつら、と銀さんの小言が聞こえた。
「いいんです、嘘なんかつかなくて。私を万事屋に引き取ったのも、今助けに来てくれたのも、全部全部…父と約束したから、ですよね」
「確かに最初は約束だからって思ってたよ俺も。会ってみたら食べかけの団子は食うわ、すぐに男の家に着いてくわ、目が離せないし。いつの間にか神楽や新八どころか沖田くんまで懐いて焦って、約束って名目でちゅーしても効果ないし」
気付いたらチンピラに捕まってるし、と笑って。…いやちょっと待って。
「あのキスって、あれ遊びじゃなかったんですか」
「え、なに?俺が遊びなんかですると思ってんの?銀さん泣いちゃう」
遊びじゃなかったって事は、つまりは───。浮かんだ答えはあまりにも現実味のないもので。
「だって何もなかったって言ってたから…」
「あー…、まどろっこしいのはやめるわ。好きだよ、ずっと傍にいてほしいって思ってる」
クサいな俺、と自嘲気味に笑っているけれど、私も同じ気持ちですよ。
「不束者ですが…よろしくお願いいたします」
マジ?なんて、子供みたいな笑顔になって。ぎゅうっと抱き締められた。…後々一部始終を録画したものをかぶき町中にドS警察によってばら撒かれるのは言わないでおこう。
隠してるつもりなのにバレバレのことってよくある→←ヒーローも官房長官も遅れてくるんだから遅刻しても大丈夫
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作者名:ぴ! | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2018年9月4日 0時