涙は血をこしたものってアレ本当? ページ22
衝撃的な事実を知ってしまった今、仕事になんか集中できるわけもなく。ぼーっとした頭でもわかることは、万事屋にはもう戻れない…というより、戻らない。
神楽ちゃんは勘がいいし、気づかれているのかもしれないけれど。本当に少しの間だったのに、万事屋という居場所がなくなってしまうのはこんなにも悲しいことだと今更気づいて、ぽろぽろと涙が頬を伝う。
もう万事屋には戻らない。二度と関わらない。こんな決断、今となっては意味がないかもしれないけど。
とりあえず、神楽ちゃんに今日は戻らないことを伝えよう。定春くんと遊んでいるのか、ずどんと大きな音が聞こえる。この部屋壊れないか心配…。
「神楽ちゃん?入るね」
「A姐、どうしたアルか?なんかあったノ?」
定春くんと激しく遊んでいたのが分かるくらい、息が切れている神楽ちゃん。こんな元気な神楽ちゃんも見納めかな。
「遅くならないって言った手前で悪いんだけど、仕事多くて今日は帰れなさそうで…、今日はここに泊まるって銀さんにも伝えてくれる?」
「わかったアル!絶対明日帰ってきてネ!」
「…うん、任せて」
定春行くヨ、と部屋を去っていく神楽ちゃん。その姿が揺らいで見えたのは、きっと涙のせい。
飲みすぎた翌日の二日酔いのまま仕事行くのが一番辛い→←人生には知らなくていいこともある
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作者名:ぴ! | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2018年9月4日 0時