会いたくないやつに限ってよく会う ページ14
あれから、私の分まで神楽ちゃんに食べられてしまった。かわいいから許す。かわいいは正義。
しかしまぁ、よくあんなに食べれるものだ。お腹が一杯になってソファーで眠っている神楽ちゃん。時間的にも仕事に戻らなくては。
「私もそろそろ仕事に戻ります。今日は色々とありがとうございました」
「おう。またいつでも来い」
神楽も喜ぶだろうし、と暖かい笑顔で見送ってくれた万事屋さん。ありがたい。…さて、私も仕事しよう。
・
一通り客足も落ちて夜勤組も帰した事だしそろそろ寝ようかと思っていたその矢先。ドカンと盛大な爆発音と大きな振動が。…嫌な予感がする。
急いでフロントに内線を繋ぎ、事情を聞く。女を人質に取った天人が上階に籠城中。ちょうど真選組が到着してバズーカを一発お見舞いしたところだそうだ。
いや、またバズーカ?何か手段なかったの、真選組。まえらぐみって読むぞコノヤロー。…ボケてる暇はない。取り敢えず避難。
「またあんたですかぃ?…そういや、総支配人はあんたなんでしたっけ、忘れてやした」
悪びれるそぶりもなくケラケラと笑う沖田総悟。悪魔だ。なんて事してくれてんだ、ほんとに。
「てめっ、どこでもバズーカぶっ放せば済むと思ってんだろ!!お前のせいでまた始末書書かされんだろうが!」
タバコを吸った真選組の人。仮にも勤務中じゃないのか。見たとこ、沖田総悟の上司か。
「土方さんもいちいちうるせーや、ちゃちゃっと片付いたんだから御の字でさぁ」
「どこが?素寒貧にさせるつもり?なに、私に恨みでも?」
「あんたは…、あぁ」
何回か被害に遭っているからか、話が早くて助かる。
「またうちの奴が…、悪いな。前回のも今回のも修理費はこっちで負担する」
「減給ですかぃ…ろくに遊べやしねぇ」
誰のせいだと思ってんだ、と叫ぶ土方さん。大分手を焼いてるんだろう。
「とりあえず、泊まる場所はもう手配してある。…度々すまねぇな」
ほらこれと手渡された紙切れには万事屋さんの住所。他店舗に泊まるつもりだったけどせっかく手配してくれたならお世話になろう。
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作者名:ぴ! | 作者ホームページ:https://twitter.com/pipipi__dream
作成日時:2018年9月4日 0時