7 ページ7
轟side
鈴屋の第一印象は弱そうな奴、だった。でもそれは間違いだった。
ビルを凍りつかし、鈴屋に降参するように言う途中だった。
鈴「ふふ…ふふふふ…アッハハハハハ…！！真逆ぼくがこれくらいで降参するとでも？…無駄ですよ…。だって…」
そう言って鈴屋は無理矢理自分の足を引き抜いた。皮が剥けるのも血が流れるのも気にせずに。おかしいだろ。痛いはずなのに、何でお前は笑っていられるんだ…？
鈴「どうせ治るから。」
それでも痛みは感じるはずだ。
鈴「次はどうします？腕？脚？心臓？…どれを潰しても無駄です。ぼくは首だけになっても戦い続ける。まぁそれは別として…」
そう言って鈴屋は俺の首にナイフを添えた…笑いながら。
鈴「頭と胴体が離れるのがいやなら降参した方がいいですよ。…君が氷を出すのと、ぼくが君の首を撥ねるのと、どちらが早いのか試したいなら別ですが。」
鈴屋の深紅の瞳が俺の視線と交わる。…その瞬間、ぞっとするような悪寒が身体中に駆け巡り、…理解した。コイツは本気で俺を殺そうとしている、逆らったら殺されるという事を。
「！！…降、参…。」
なぁ、何でお前はヒーローを目指したんだ？お前は間違いなく世界を憎んでいるのに。…その質問は口から出なかった。代わりに出たのは、本気だったのかという聞くまでもない事。
鈴「真逆。…でも、必要ならぼくは出来ますよ。そうやって生きて来たから。…だからぼくは切り捨てられる。…仲間も、敵も、親も、…感情も。」
そう呟く鈴屋の目には何も写っていなかった。
「お、前…」
鈴「だから終わらせるんです。もうぼくみたいな子供が生まれて来ないようにするために。それがぼくの…」
復讐だと、言われたような気がした。
ああ、そうか。お前は憎んでいるのか。この世界を、ヴィランを、ヒーローを。…全て憎んで、でも本当は助けてほしくて…。
「…同じ、なのか…？」
俺の復讐とあいつの復讐は違う。背負って来たモノが、苦しみが、覚悟が。…足りない。お前は何でそんなに強いんだ？…違う、強いんじゃない。
だってあいつは泣いていた。顔は笑っていても、心ではずっと…たすけてと叫んでいた。
「そうしなければ生きられなかったのか…？」
誰も助けてくれなかった。でもぼくに助けてなんて言う資格は無いから。
…ふと、幼い子供の泣き声が聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マツリ(プロフ) - 教えて下さり有難う御座います。 (2019年6月23日 13時) (
レス) id: e627b5fc29 (このIDを非表示/違反報告)
天草 - おそらく4が抜けている、もしくは非公開になっています。改善よろしくお願いします。m(__)m (2019年6月23日 9時) (レス) id: c94aad104c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マツリ | 作成日時：2019年5月25日 18時
