繋ぐ~心に傷を負ったこどもたち~

＊ ページ43

渡辺side






『 卒業おめでとう！ 』

樹｢ いやお前もな ｣

『 まあな笑 』





今日で、4年間通った大学生活の幕を下ろす。

……今まで、色々あったな。




俺は、何となくでこの学校に来た。


目標なんて無くて、ただひたすら｢ 楽な道 ｣を通る日々。

｢ 努力 ｣なんてしたこと無かった。




4年になると、樹や周りの連中みんな就職先が決まっていって、

俺だけ置いてけぼりにされている気分になって、悔しかったのを覚えてる。



でも、だからといって何の努力もせずに昔の自分のせいにして。





_________そんな時に、ラウールに出会って。

救いたい、救いたいって、誘拐みたいな真似をしてね…笑

そこでもまた、樹に頼ってラウールの面倒見て。




でもある日、ラウールを施設に預けなくちゃいけなくなって……


ラウールと一緒に暮らしたいと強く願って、養護施設について調べ始めた。




それで、施設の子供たちの現状を知って、そこでもまた、｢ 救いたい ｣と思った。


“ 保育士 ”として、施設で働こうと決めた。


取得していた保育士の資格が、ここで発揮されるなんてな。






…だからと言って、そう簡単に出来るようなことでは無かった。






保育士になって施設で働くために、猛勉強する日々が始まった。



正直、辛かったなぁ……




だけど、樹の支えもあって、

辛い日々も乗り越えてきた。

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