たまには ページ39
．
正門side
正門「どうされましたか？ちゅーさん」
突然 背中にぬくもりを感じて、
俺の手よりも小さく綺麗な手が
お腹の前で組まれていた。
正門「ちゅー？」
その小さな手に自分の手を重ねて覆うように握ると、
心做しか抱きついてくる力が加わった気がした。
ぐりぐりと頭を押しつけてくるあたりは
昔から変わらんところ。
ちゅーがなにも言わずに
ただただ甘える相手は数少ない。
その中に自分がいることに
少し優越感があったりして。
このポジションは正直だれにも譲りたくない。
正門「ちょっと散歩でもしよか」
A「、え？･･･ぎゃあっ、」
正門「どう？懐かしいやろ」
ひょいっとおぶってみれば、
慌ててしがみついてくるちゅーの様子に
小さな笑いが漏れた。
ぎゅっ、と、首に巻きついている腕に
力がこもったからか、距離が縮まった。
首筋に微かに感じるちゅーの息が
くすぐったくて、少し首を首をすくめる。
A「もんくんの背中ってなんで落ち着くんやろうな」
正門「そんなに落ちつくん？」
A「･･･うん、」
正門「いま他の人のこと考えてたやろ〜」
A「えっ、」
明らかに歯切れの悪い返事に、
正門センサーが図星だと反応した。
正門「ちゅーはヤキモチ妬きさんやね」
軽く振り向いて言ってみれば、
意外にも距離が近くてそのまま頬を擦り寄せる。
いつも我慢しとるからさ、
今日だけは困らせてもええかな？
正門「そんなかわいい姿、だれにも見せんといて、？」
その瞬間、触れているちゅーの頬が
熱を帯びたのを感じた。
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作者名：まる。 | 作成日時：2020年5月10日 23時
