歴上彼女？ ページ22
．
恭平side
A「きょうくん見っけ〜」
楽しそうに笑ったAちゃんが、
楽屋のソファーに座る俺の元まで来た。
恭平「え、＿＿＿っ、」
その声に反応して顔をあげれば、
両手でほっぺを包み込まれて
むにむにむに、と、遊ばれた。
そのままぴったり隣に腰をかけたAちゃんは、
俺の手にあった水をひょいっ、と、取って
ひと口飲んだあと、
ペットボトルを持っていたまま
固まっていた俺の手に戻した。
A「きょうくん？」
フリーズした俺の顔を覗き込んでくる。
恭平「なんやろ、今日のAちゃん変」
A「そんなことない」
恭平「あるから言うてんの」
A「ないもんはないねん」
そこまで言って拗ねたAちゃんは、
顔をそむけてしまった。
恭平「拗ねんといてって」
今度は俺が顔を覗き込めば、
ぷくっと口を膨らませた。
A「私はきょうくんの幼なじみやないし、年上にもなれへんもん」
恭平「うん？」
A「年上にはなれへんけど、歴上やからお姉さんなの」
恭平「･･･ん？」
何を言うてんのかようわからんくて、首を傾ける。
A「とりあえず、きょうくんは私に甘えとけばええんやで？」
｢わかったら返事！｣ と、俺の頭を撫でながら
楽しそうに言うAちゃん。
恭平「･･･いつも通りでええやん」
小さく呟いた言葉が聞こえなかったのか
頭から手を退けて、｢ん？｣ と、顔を近づけてきた。
そんなAちゃんのほっぺを
今度は俺が両手で包み込んで
おでことおでこをくっつければ、目を見開いた。
A「きょう、くん、？」
恭平「ふはっ、Aちゃんかわいい」
ほっぺをむにむにしてから離れれば、
声にならない声を出しながら
Aちゃんは自分のほっぺを抑えていた。
．
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作者名：まる。 | 作成日時：2020年5月10日 23時
