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A「はしくん、次どうぞ」
今度は大橋がシャワー室に向かったのを見送ってから
手招きをして椅子にAを座らせる。
A「乾かしてくれるんですか！？」
鏡越しにキラッキラの目を向けられる。
確かに乾かしたろって思っとったけど
改めて口に出されると妙に恥ずかしくて、
｢今日だけな｣ なんてぶっきらぼうに言って
ドライヤーのスイッチを押した。
目を瞑って気持ちよさそうに身を委ねる姿が
小さい頃の姿と重なって、
随分大人になったな、と、実感する。
藤原「終わったで」
そう声かけると、
小さくあくびをしてからふにゃりと笑った。
A「ありがとーございます、」
髪の毛を乾かしてあげると
すぐに眠たくなるところは、相変わらず幼い。
そのままみっちーみたいに、
ぐらんぐらんと揺れ出すもんだから
慌てて体を支えて俺のベッドに寝かす。
今日はソファー行きやな。
Aの寝顔を見ながらそう考えて
ベッドから離れようとすると、
小さな力で袖を掴まれる。
A「･･･いっしょがいい、」
今にも閉じそうなとろんとした瞳に捕らえられれば、
逸らすことなんてできなくて。
そのまま布団に入り込む。
するとぎゅっと、抱きついてきて
そのまま寝息を立て始めた。
ぽかぽかとした体温と安心感につられて
俺もそっと目を閉じた。
大橋「丈くんったら〜」
なんて嬉しそうに呟く大橋の声と、シャッター音が
遠くで聞こえたのはきっと夢やと思う。
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作者名：まる。 | 作成日時：2020年5月10日 23時
