今日も継子が泣き止まない【煉獄杏寿郎】

7 ページ9

甘露寺蜜璃が煉獄杏寿郎の弟子になり1週間が経過したころだ。


甘露寺蜜璃はとてもとても混乱していた。


「甘露寺！集中しろ、全身の血が巡るような感覚を頭で感じるんだ！」
「はい！師範！」


師範の稽古は確かにとても苦しかった、けれど師範は教え方がうまいのだろう。剣術が初めての私もすんなりと1週間も経てば刀を握れるようになっていた。


厳しくも優しい師範に、可愛らしい姉弟子…まぁ、Aちゃんは姉弟子というより、歳も一つ下だし、可愛い妹というか、お友達というか、そんな感じだけれども。


「あの、師範」
「うむ！なんだ？甘露寺」
「Aちゃんがまた居なくなってるんですが！」


そしてここ1週間で思ったこと、Aちゃんはよく脱走する。それも稽古の途中で、少しだけ目を離した途端にだ。


初めはびっくりしたけど、すぐに慣れたし、何よりやる気がないから脱走する訳ではなく、稽古が辛すぎて逃げているだけのようで、大体私が素振りをしてる間に師範が捕まえに行くのがいつもの日常風景だ。


泣きながら師範に追いかけ回されているAちゃんを見るのはなんだか可愛くて好きだ。


「いだだだだだだ！師範！師範！首しまってる！しまってます！いだだだ！」
「そうか！」
「え？首しめてそうか！ってえ！？」


……のだが、それにしても


「下ろしてください師範！」
「わっはっはっ！下ろしたらまた逃げるだろう？」

「あ、師範口にご飯粒ついてますよ」
「むぅ？すまない取ってくれないか？」
「仕方ないですね〜…はい取れましたよ？」

「もうヤダ本当に嫌！師範の弟子やめていいですか！？」
「ダメだ！双葉は腕がいい！」
「よくないよくない、もう師範の弟子になって1年経つけど炎の呼吸出来たことないですから」



「あ、あの、師範」
「なんだ！甘露寺」
「師範とAちゃんの距離感、おかしくないでしょうか……！？」

8→←小話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す