検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:105,806 hit

ページ17

.




怒っていると言い残してそのまま。
日が経てば経つほど顔を会わせにくくなる。

だから、明日………登校したら真っ先に先生に会いに行こうと決心した。


俺の印象は絶対に悪いだろう………昨日は折角のチャンスを無駄にしたんだ。


どうにも仕方の無いことだが、先生を意識しすぎて我を失うことは避けたい。


ふぅ………と一息吐いて。

下駄箱で上履きに履き替えると保健室へと歩みを進める。

一つ角を曲がればそこに、先生はいるんだ。



「先生、好きです!俺と付き合ってください」


大「はっ?!」



そんな声が聞こえてきた保健室。

廊下まで響いて、その場にいた全員が面白がって群がり始める。



「初めて見た時から、先生しかいないと思いましたっ!」



…嘘だろ……先を越された……


セクハラ紛いの質問ばかりする生徒の一人が、真剣に大胆な告白。



「お願いしますっ!」



行動する者のみが、成果を得られるんだ。





涼「………君とは教育者と生徒の関係。それ以上にもそれ以下にもなるつもりはない」



若干ニヤけていた回りの奴らも、雰囲気が変わる。

行き過ぎた冗談もヘラヘラと受け流す先生が、初めて冷たい声でそう告げたんだ。


そして、



「っ、」


大「っ、」



……………そ、うだ、よな。

厚かましくも、告白している奴を自分に重ねて傷つく俺。


本気ならばなんとかなると高を括っていた俺に、絶対的な壁を思い知らされた。



……………先生、好きです……

俺が高校生であるが故に、一番最初にぶち当たり、一番最後まで崩せないもの。



“好きです”と口にしたら、あいつみたいに先生は冷たく現実を告げるんだろう。



涼「よく考えてみな?それは恋じゃないよ」


「…っだよ、先生には人の気持ちがわかんねぇのかよ!!」


涼「全部君の勘違いだよ」



騒ぎに駆けつけた他の教師たちに山田先生と生徒が連れていかれた。

◇→←◇



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (175 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
433人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - ゆりあさん» えっ、!えー!!ゆりちゃんじゃないですか!?まさか読んでくれているなんて思いもせず…(/ω\)ありがとうございます…!更新できるように頑張ります!! (2020年12月7日 22時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 最新話読みました!やばい…特に終わり方最高でした、、いい意味でゾクっとしました( ; ; )お話の雰囲気といいそれぞれの性格といいめっちゃ好きです!! (2020年11月20日 18時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - りーさん» ありがとうございます…!コメントを頂いて更新を思い出しました(;>_<;)頑張りますー! (2020年8月18日 23時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
りー - めちゃめちゃ面白いです!!更新頑張ってください!!! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 098b6922b2 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - アリーさん» お返事遅くなりすみません…!ありがとうございます(^^)頑張りますー! (2020年7月13日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夢莉(ゆ〜りり) | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年6月22日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。