◇ ページ12
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大「!?、…っ………だ、誰…………」
治まったはずの目眩が再び襲ってくるのを感じながら、必死に振り絞った声。
「あ、もう大丈夫?………うん、顔色も良さそうだね」
振り向き近寄ってきて、微笑んだその人は………俺の声が届いていなかったのだろうか。
目を見開き硬直する体。
初めてみたその人は……………俺の命の恩人で。
正真正銘の、天使だった。
「毎日暑いから、気を付けて?水分補給はこまめにね」
大「は、はい………………え、や……だ、誰ですか?」
「ん?……あぁ!初めましてだね」
大「はい、」
同い年くらいに見えるその人。
けど、制服は着ていなくて。
かといって、教師という感じもしないラフな服装で。
「んー、そのうち分かるよ」
大「え?」
思えばセンセは、初めから俺を掌で転がしていて。
大「……じゃあ、田中先生は……?」
「んふふ、それもそのうち」
大「………ほんとに、教えてくれないんですか?」
初めから、俺を夢中にさせた。
「補修、お疲れさま………さ、帰った帰った…!」
大「え、ええ?ちょ、」
閉じられた扉の向こうに、甘い香りを感じて。
ドキドキと高鳴る胸は、俺に大事な知らせを送った。
このまま帰ったら、二度と会えないかもしれない。
“そのうち分かるよ”と言ったあの人。
…………それが本当なら、また会えるのかな。
俺らしくもなく、一度閉じられた扉を開ける勇気がなくて。
足は前へ踏み込むのを拒むように昇降口へ走り出した。
大「はあっ、はあっ…!」
真夏の炎天下。
倒れる寸前だった奴が懲りずにアスファルトを蹴る。
……………誰だったんだろう、明日も会えるかな………
大「………って、明日、補修ねぇじゃん………」
待ちに待った最終日が、こんなにも恨めしく思うなんて。
夏の気温に負けずに上昇して止まらない熱も鬱陶しいけど、何故だろう。
心に光が差し始めていた。
______________
初めましての方もそうでない方も!
お越しいただきありがとうございます。
作者の夢莉です。
ご挨拶らしいものをしていなかったので…
ええ、楽しんでいただけているでしょうか?
公開間もなく沢山の評価を頂きとても嬉しいです。
お気に入りも……!!
評価、お気に入り、コメントの通知がくると本当に励みになっております!!
ノロノロですが更新頑張りますので、これからもよろしくお願いしますm(__)m
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夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - ゆりあさん» えっ、!えー!!ゆりちゃんじゃないですか!?まさか読んでくれているなんて思いもせず…(/ω\)ありがとうございます…!更新できるように頑張ります!! (2020年12月7日 22時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりあ(プロフ) - 最新話読みました!やばい…特に終わり方最高でした、、いい意味でゾクっとしました( ; ; )お話の雰囲気といいそれぞれの性格といいめっちゃ好きです!! (2020年11月20日 18時) (レス) id: 551d67bbc3 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - りーさん» ありがとうございます…!コメントを頂いて更新を思い出しました(;>_<;)頑張りますー! (2020年8月18日 23時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
りー - めちゃめちゃ面白いです!!更新頑張ってください!!! (2020年8月18日 0時) (レス) id: 098b6922b2 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(ゆ〜りり)(プロフ) - アリーさん» お返事遅くなりすみません…!ありがとうございます(^^)頑張りますー! (2020年7月13日 18時) (レス) id: 7762ef5dd7 (このIDを非表示/違反報告)
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