小悪魔が十四匹 ページ15
「……っていう」
「……まじで？」
「……まじで」
「まじかぁ」とため息をつく柚葉。
「恋じゃん、それ」とか言ってたけど、私がそれを自覚したことに対しては動揺してるらしい。
「びっくりだわ」
「自分が一番驚いてる」
でも好きになっちゃったんだもん、しょうがないよね、なんて。
こんな歓楽的な馬鹿みたいな思考も、ちょっと前の私からは程遠いものだったはずなのに。
「まぁでも、良かったじゃん。日向くん、だっけ？別に悪い人じゃなさそうだし。あんたも楽しそう」
「まぁこの気持ちのせいで思考がお花畑になってるから、楽しいことは楽しいんだけど」
「……自分がその状況になっても片想いを馬鹿にするスタンスは変わんないのね」
「私は自分が馬鹿になっちゃったのを自覚してるだけだよ」
例えば今飲んでるココア見ても、翔陽くんは何の飲み物が好きなのかな、とか、甘い物食べられる人なのかな、とか。
思考回路がバグを引き起こしたみたいに、全部が彼に結び付くようになった。
気を抜けばすぐに頭にあのオレンジが浮かぶから、一時だって忘れられないようになってる。
そんな自分をどう扱えば良いか分からなくて、ため息をついてローテーブルに突っ伏した。
「もー試合とか見てたらさぁ……なんかもう……ボールになりたくて……」
「何言ってんの？」
「だってあんなに……翔陽くんに必死で追いかけて貰えるなんて……ずるい……」
「かなり重症じゃん」
「ってか今更気付いたけど、もしかして私以外の女の子のとこにも行ってたのかな、わー無理、耐えらんない」
「うざった……」
「病んだ」
「面倒臭……」
自分でもそう思う。
これも多分、思考回路の不具合で、あんなに自信まみれだった私が、こんなに消極的なことを考えるようになってしまった。
私は今まで見た目が可愛いってだけで人生イージーモードを突き進んできた。
可愛いから男の子を落とすのも時間がかからないし、特別扱いされるのなんて当たり前だった。
……でも翔陽くんは、それだけじゃ振り向いてくれないから。
「今の所応援してる子の中で翔陽くんと特別仲良い子、みたいなのはいないっぽいんだけどさぁ。マネージャーの子がね、ちょっと良い感じっぽくて」
「ん〜マネージャーかぁ……」
「あ、そうだ、柚葉も気を付けなよ」
「え？」
「もう一人のめちゃくちゃ美人な先輩マネ、多分スガくんと仲良いよ」
「は！？なんで早く言わないの！？」
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美園(プロフ) - やばい夢主ちゃん好きすぎる…可愛すぎる…日向とうまくいってくれ (2月27日 10時) (
レス) @page24 id: 69d991c9f1 (このIDを非表示/違反報告)
やぁでぅん - 主人公と日向くんの絡みが最高です！！これからも更新頑張って下さい！！ (5月10日 15時) (レス) id: 92500eea4b (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - え、むりおもしろすぎる続きがちでみたい (2023年1月7日 20時) (レス) @page24 id: 6539e90d25 (このIDを非表示/違反報告)
ムー - 小悪魔な少女が無邪気な彼に片思いして振り回されてるの、とても新しくてワクワクします！うまくアピールできなくて少しそっけなかったり、それでもどうやって好きになってもらうか一生懸命なのは、恋する乙女同然ですね！これから二人はどうなっていくのか楽しみです！ (2022年10月5日 19時) (レス) @page24 id: 812daaa6d6 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - 羽珪藻さん» 毎回悪戦苦闘しながら話を考えているので、そう言って頂けてありがたいです……（ ; ; ）これからもお暇な時に覗きに来ていただけると嬉しいです。コメントありがとうございました！ (2022年8月8日 13時) (レス) id: 3a603e5b42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水団子 | 作成日時：2015年10月30日 21時
