第二十話 リア ページ21
「こんなたくさんの本初めて見た……」
とりあえずなんとなーくで入った部屋。
そこにはなんと、大量の文献が置いてあった。
えーと、『灰色の月』、『世界樹が腐り落ちる日』、『旧い海の人魚たち』……
どれもなんだか痛くてよく分からない名前の本ばかりだった。
「わっかんなー!」
私は手に取った本を放り投げた。
「乱暴に扱うな!」などとベルの怒声が聞こえてきたが、気にしない。
「ん……?何だこれ……」
私の目線は、とある本の背表紙に向いていた。
「ベル!見て見て見てよコレ!」
やたらと足元を気にしながらこちらへと歩み寄ってきたベルは、私が抜き取った本の題名を読み上げる。
「『世界を分かつエネルギーについて』……?」
ボロボロの日記のようなそれは、長い間読まれていなかったのか薄く埃を被っており、軽く払うとページの間からも埃が吹き出てきた。
「えーと、世界は100年前の戦争により分かたれた。国境を越えることは特別な事例が無い限り許されず……」
私が読み進める。そのあとも、今まで何人もの人が国境を越えようとしたが帰らぬ人となったこと、国境にあるものは誰もその真実を知らないことなどが書いてあった。
特に有力な情報もなく、私はその本を閉じた。
「何もないじゃん!……ってアレ?」
本を閉じた衝撃で、ページの間からなにかの紙切れがひらひらと落ちてきた。
ベルが拾い上げ、内容を読み上げる。
『国境には神々が作った神話に出てくる魔物達の劣化コピーのような個体がおり、国境を護っている。』
そう、拙い字で殴り書きしてあった。
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夕暮れの紅猫(プロフ) - 浅葱_なずさん» 一応、続きがありますよ! (2017年9月5日 1時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_なず(プロフ) - 凍結でつか(*゚▽゚) (2017年9月4日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
夕暮れの紅猫(プロフ) - 欺瞞と悪戯の神・ロキさん» ありがとう! (2017年7月22日 17時) (レス) id: bc75671915 (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 遅くなりました!直したよ! (2017年7月22日 16時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
欺瞞と悪戯の神・ロキ - 夕暮れの紅猫さん» わかった!何とかしてそれにする!僕の事はためでいいよ! (2017年7月21日 22時) (レス) id: 55b7b486eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ステラどるちぇ x他14人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年5月28日 20時