推しキャラに愛されたい！！ アニメいろいろ短編集

ここから始めるために【霧島透】 ページ10

〜霧島〜



自分でもヤベエなって自覚はしている


悪魔だ何だと言われてきたこの俺がまさか人を好きなるとはな


はぐれたお嬢を見つけてくれた、たったそれだけの事なのにホッとする俺につられて笑った顔が可愛かった


霧島｢あ……｣


｢また会いましたね｣


霧島｢そっスね。はは……｣


仕事前で良かったァァーー！！

仕事終わりの血みどろの恰好を見られた日にはドン引き……幻滅もいいとこ


｢今日は娘さん、一緒じゃないんですか？｣


霧島｢おじょ……八重花ちゃんは兄の子供でして。忙しい兄の代わりに俺がたまに面倒見てるんですよ｣


この設定は定着させとかないと


ヤクザとバレるわけにはいかねぇ


霧島｢それ、もしかしてケーキですか？｣


｢はい。作りすぎて友達にお裾分けに行く途中なんです｣


霧島｢あ、あぁー。そ…なんスね。引き止めちゃってすみません｣


作り立てなんだろうな。ケーキ屋の匂いがする



食ってみてぇな



｢じゃあ今度、作ってきましょうか？｣


霧島｢へ……？っ……俺今、声にでて……！？｣


｢来週の今日、この時間にここで待ってますね｣


霧島｢いやいや。いいんですか？俺はまぁ、暇なんで大丈夫っスけど｣


｢何ケーキがいいですか。好きなの作りますよ｣


霧島｢じゃ、じゃあ……チョコケーキでお願いします｣


言って恥ずかしくなった

ガキかよ俺は


もっとこう普通に無難のあっただろ


｢美味しいですよね。チョコケーキ。私も好きですよ｣


天使かよマジで


今日は最高に気分が良くて、ちゃんとした話し合いが出来そうだわ



浮かれすぎると足元すくわれるってのに、彼女のことが頭から離れない



まぁ……告れねぇけどさ


フラれるのもそうだが、仮に付き合えたとしても俺の正体をずっと隠し続けるなんて無理だ


俺と一緒にいれば、いつかのお嬢みたいに狙われて、今度こそ取り返しのつかないことになるんじゃないかと、怖い


人を好きになるってことは弱くなるってことだ


弱点晒して、傷を付けては側にいる資格さえ失う


杉原｢どうしたんですか霧島さん。やけに優しいですね｣


霧島｢あ？あぁ……｣


目には見えないが、血まみれの手で彼女に触れてしまったら壊れてしまいそうだ


杉原｢ちょ、何でさっきから手ばっか見てんスか！？怖いんですけど｣


霧島｢お前はいつも能天気でいいよな｣


杉原｢突然ディスるのやめてもらえません！？｣


こんな頭使ったことねぇからどうしていいか分かんねぇな

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