episode18 ページ18
未だ何も変化のない棲龍館をじっと見守る6人。
「七海先生！」
Qクラスメンバーは足を引きずりながら戻ってきた七海に駆け寄る。
「団先生は？」
「それが、まだ………」
首を横に振るメグに、七海も顔色を変える。
「遅い…遅すぎる……！」
焦りを含んだ究のつぶやき。
耐えきれなくなったAは駆け出した。
「すぐ戻る！」
「っおい希ノ…A！！」
七海の声も振り切り、Aは一目散に大広間へと向かった。
「せんせい！！」
大量に血を吐いて倒れている団。
Aは血の気が引いていくのが分かった。
「せんせっ！ねえ先生！」
反応はないが、ちゃんと息はある。
少し冷静になったAは、大広間へと足を踏み入れる。
団の血の跡がてんてんと、広間から続いていたからだった。
泡を吹いて倒れているキングハデスにゆっくりと近づき、脈を確認する。
ダメだ。
既にこと切れたキングハデス。
「………生きて、罪を償ってほしかった」
ぽつりと漏れ出した言葉たち。
「見守っててほしかった」
時間がないのは分かっているが、Aは慎重に言葉を選ぶ。
「天草くんや、私たち、Qクラスの行く末を。そして、大人になっていく天草くんを、ちゃんと見守っててほしかった。………いくら犯罪者だとはいえ、たったひとりの天草くんの肉親だったのに」
ばたばたと聞こえる足音、口々に団先生、と叫ぶ声が聞こえ始める。
「さっさと地獄に落ちるなんて、絶対に許さないから」
そう吐き捨てたAは、踵を返して廊下に出る。
「キンタ、できるだけ揺さぶらないように団先生運んで。天草くん、と言いたいところだけど、今天草くんが出てったら多分混乱するからメグ、警察に事情話して、パトカー1台病院に回せるようお願いしてきて。救急車待ってる暇ない」
てきぱきと指示を出すA。
「希ノ峰…………」
「…ん、大丈夫。ありがとう天草くん」
Aは流に微笑むと、棲龍館を出るよう促した。
大広間に向かおうとする流の手をつかみ、ゆっくりと首を横に振る。
全てを察した流はうつむきつつも、振り返らず棲龍館を出た。
長い長い戦いが、今、ようやく終わったのだ。
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ツキツキ - 癒璃華さん» 癒璃華様、心のこもったお返事本当にありがとうございます。作品に軸を通す…そうなってます素晴らしいエンディングでした！ また彼らと会えるよう願って、では笑顔で締めたい――つんでれメイドのユウリと一緒に手でハート作ってチェキ撮りたいです！！！ (2021年2月28日 23時) (
レス) id: f33cc7d4d3 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - ツキツキさん» 誕生日あんまり関係ない感じにはなってしまいましたが…笑 楽しんで頂けたなら何よりです。シリーズ最初の、♯0と最後の♯11のラストを合わせる事で、物語に軸を通せるかな、と盛り込んでみました。私もツキツキさんも、また彼らと会えるよう願っております (2021年2月28日 21時) (レス) id: f0003aed0e (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - 瀧さん» 二次創作と言うからには、原作の雰囲気を壊してはいけない、とドラマをとても大切にしながら書いていたので、そう言って頂けると嬉しいです。読んでくださってありがとうございました！ (2021年2月28日 20時) (レス) id: f0003aed0e (このIDを非表示/違反報告)
ツキツキ - (続き)ラスト『空に掲げた(割愛)』くだり胸に沁みて。癒璃華様が流、夢主ちゃんQクラス探Qの物語自体を心底愛し大切にしていらっしゃるのが嬉しくて、そしてその溢れる愛情を感じられるこの小説を読めて本当に幸せです！気が向かれましたらまた彼らを書いてください。 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 6b0a8b5fb7 (このIDを非表示/違反報告)
ツキツキ - 癒璃華さん» 全て無事完結しましたね、おめでとうございます！！これ程に素晴らしい小説を書き上げ私たち読者に届けて頂き改めて感謝で胸が一杯…更にあぁあ流誕パーティーのリクお応え頂き感激で震えてます、ありがとうございます、よかったね流！サイドストーリーたくさん(感涙)続 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 6b0a8b5fb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒璃華 | 作成日時：2021年2月17日 19時
