episode15 ページ15
ホテルの敷地からも出たQクラスと七海。
ホテルの門前に立ち尽くす一同を木陰から覗き見る影。
「………ななちゃん」
それにいち早く気づいたAが七海の服をついつい、と引っ張り、顎で示して見せる。
影は足早に去っていく。
「お前たち…ちょっとここで待ってろ」
「七海先生⁉」
影を追って走り出す七海。
闇に響き渡る鈴虫の声とともに、七つの子のメロディ。
「一人ですたこら逃げる気か？」
ケルベロスだった。
ケルベロスの行く手を阻むように立つ七海。
「足の具合は、いかがですか？」
「お前の気持ち悪い顔を思い出すたびにな、疼くんだよ」
傷跡を撫でながら、七海はゆっくりとケルベロスとの距離を詰める。
「え？気持ち悪いですか？」
しばらくにらみ合いが続き、刹那、虫の声が途切れる。
「お前……音痴だろ」
その言葉が悔しかったのか、隙だと見たのか、ケルベロスは七海に蹴りを繰り出す。
七海は蹴り上げられた足をつかみ、動けないようにして顔面を思いっきり殴った。
飛び散る血と歯。
ケルベロスは倒れこむと、七海は傷跡を押さえてうずくまる。
「ちょっとはましな面になったんじゃねえのか？」
だらだらと流れる血を押さえながら、ケルベロスはゆっくりと立ち上がる。
「ふぉのふふひは、ははひふぇふまへ、ほっへおひはひょう…」
「は？」
おそらく、“この続きは、歯が癒えるまで、取っておきましょう”と言いたかったのだろう。
ケルベロスは立ち上がりざまに、抜けた歯を拾い集める。
にっこりと笑って見せたその口元は、前歯が2本ともなかった。
よたよたと去っていくケルベロス。
「ざまあみろ！」
七海も疼く傷跡に、顔をしかめたのだった。
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ツキツキ - 癒璃華さん» 癒璃華様、心のこもったお返事本当にありがとうございます。作品に軸を通す…そうなってます素晴らしいエンディングでした！ また彼らと会えるよう願って、では笑顔で締めたい――つんでれメイドのユウリと一緒に手でハート作ってチェキ撮りたいです！！！ (2021年2月28日 23時) (
レス) id: f33cc7d4d3 (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - ツキツキさん» 誕生日あんまり関係ない感じにはなってしまいましたが…笑 楽しんで頂けたなら何よりです。シリーズ最初の、♯0と最後の♯11のラストを合わせる事で、物語に軸を通せるかな、と盛り込んでみました。私もツキツキさんも、また彼らと会えるよう願っております (2021年2月28日 21時) (レス) id: f0003aed0e (このIDを非表示/違反報告)
癒璃華(プロフ) - 瀧さん» 二次創作と言うからには、原作の雰囲気を壊してはいけない、とドラマをとても大切にしながら書いていたので、そう言って頂けると嬉しいです。読んでくださってありがとうございました！ (2021年2月28日 20時) (レス) id: f0003aed0e (このIDを非表示/違反報告)
ツキツキ - (続き)ラスト『空に掲げた(割愛)』くだり胸に沁みて。癒璃華様が流、夢主ちゃんQクラス探Qの物語自体を心底愛し大切にしていらっしゃるのが嬉しくて、そしてその溢れる愛情を感じられるこの小説を読めて本当に幸せです！気が向かれましたらまた彼らを書いてください。 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 6b0a8b5fb7 (このIDを非表示/違反報告)
ツキツキ - 癒璃華さん» 全て無事完結しましたね、おめでとうございます！！これ程に素晴らしい小説を書き上げ私たち読者に届けて頂き改めて感謝で胸が一杯…更にあぁあ流誕パーティーのリクお応え頂き感激で震えてます、ありがとうございます、よかったね流！サイドストーリーたくさん(感涙)続 (2021年2月28日 17時) (レス) id: 6b0a8b5fb7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：癒璃華 | 作成日時：2021年2月17日 19時
