16錠目:『泣きっ面にデスゾーン』 ページ15
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｢ッはぁ!?オイ水神矢おま、え...!!｣
｢...わぁ｣
酒に酔わされていた意識がコンマ数秒で冴えるのを脳内に直接感じ、両瞼は瞬きを忘れ、 視界に映る全ての情報を解析しようと無意識に必死になっていた。
目の前に起こった事態は、俺を置いていきながらゆっくりと進んでいる。
Aの細い腕を引きながら腰を抱き、ふわりと彼女の髪が大きく揺れ、それと同時に触れる程度のキスをした......ように見えた。
彼女は反射的に水神矢を押し返し、赤面しながら左手の甲で口元を拭った。
｢礼と詫びの前払いだ｣
｢前払いって、貴方ねえ...!!｣
｢悪い、留学してた頃の挨拶を思い出してな｣
｢こ...此処はフランスでもイタリアでもないんだから!!｣
恥じらいながら説示するAを他所に、水神矢は愛おしそうに彼女を見つめるが、飛び起きて硬直したままの俺に気がついたのか、ちらりと此方に目を向けた。
｢折緒、今度サシで呑もうか。積もる話もあるだろう?｣
｢へ? あ、お......おう?｣
言いたいこと、聞きたいことは腐るほど存在した。
水神矢とAの関係、何故今その行為に至ったのか、俺に対して一瞬不敵な笑みを浮かべたのは如何してなのか。
痛いくらい理解していた。
これは俺...と佐曽塚に対する牽制であり、余裕があることの誇示だろうと。
だが、桔梗色と群青色の瞳に吸い込まれてしまっては最後、それに抗うことは不可能だった。
｢昔はこんなことしなかったでしょ、キャプテン!!｣
｢.....もう星章学園のDFでもキャプテンでもない、1人の男だ。Aもよく言うじゃないか、もうマネージャーじゃないーって、な?｣
｢それとこれとは全くの別物で....!!うぅ〜...｣
俺も佐曽塚も、思考がエラーを起こしたのか水神矢に言われるがまま大人しくなるAを、ぼーっと見つめていた。
｢それじゃ、また連絡する｣
｢つ、次そういうのは無しよ!!｣
拗ねるように言い捨てた彼女に水神矢は再び笑みを零し、何度か頷いて部屋を後にした。
＿
｢はぁ〜〜......｣
｢A、元気だして〜｣
｢ありがと。でも元気が無いわけじゃないの、ただ少し疲れた、だけ......｣
そっかあ、と間延びした返答をした後、佐曽塚は用意されたティラミスを再度啄き始めた。
｢さっきの人は、Aの事が好きなんだね〜｣
｢.....そう、なのかな。彼の言う通りヨーロッパや中南米では挨拶で、その...するのは確かだけど...｣
Aは先程の俺のようにテーブルに伏せた。
＿
17錠目:『お日さまアロマジュエル』→←15錠目:『その研修医、多忙につき。』
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星猫 - もう一つのｐｃがしました。初めまして！とっても素敵です！高評価しました！ (2021年9月8日 11時) (
レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - ゆりりんさん» わ〜!! 勢いある挨拶ありがとうございます〜^^ ちまちま更新していきますので気長にお待ち頂けると幸いです (2021年2月2日 1時) (レス) id: f96d68692e (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - まず最初に…好き!!（挨拶）続きが読みたくてたまらないです！ (2021年2月1日 20時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - 棘水さん» 了解です！また何かあったら声掛けますんで、これからも更新頑張って下さい！！ (2019年4月9日 15時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
棘水(プロフ) - アインツバルさん» コメントありがとうございます!! が、合作イベント....!!大変魅力的で参加したい気持ちは山々なのですが私生活の多忙や内容が合作内容が全く分からず他の皆様にご迷惑をかける可能性しかないので今回は辞退させて頂きたく思います....また機会がありましたら是非....!! (2019年4月8日 22時) (レス) id: c7cb6e701d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：棘水 | 作成日時：2018年7月20日 13時
