47話 ページ6
「というわけで、出し物を決めたいと思うんですけどこれがやりたい！っていう人はいる？」
翌日のLHRで早速文化祭の出し物を決めることに。
村上くんが率先して発言してくれて私は書記係をお願いしても良いですか？と言われて安心した。
Aさんの方が字が上手だから、なんて言ってくれたけどきっと気を遣ってくれたんだと思う‥‥‥‥のは思い上がりかな。
「はい！お化け屋敷がいいでーす」
「脱出ゲームの方が面白そうじゃね？」
「え〜俺縁日が良かったぁ」
「屋台は？焼きそばとかお好み焼きとかさぁ！鉄板扱う男って‥‥カッコよくね？」
みんな口々に自分達がやりたいことを発言している。
ただあまりにも纏まりがなくて黒板に書く手が追いつかない‥‥‥！
見兼ねた村上くんが「一気に言わないで〜！手を挙げてから発言してください！」と声をかけてくれた。
そしたら早速誰かが手を上げたみたい。
「お、はい！どうぞ」
「ここはズバリ。演劇一択でしょう！！！」
そっか、彼は確か演劇部の部長だったはず。
演劇かぁ‥‥‥‥。良いな。
でも私の感想とは裏腹にクラスは反対気味だった。
「演劇ぃ‥‥‥？」
「そういうのって女子がやるもんでしょ」
「セリフとか覚えらんないよな」
「あれ？ロミオとジュリエットとかそういうの？ジュリエッ、ト‥‥‥」
ざわめきが静まってなんだか視線が集まっている気がする‥‥‥。え、なに？
「白雪姫とかは？」
「俺シンデレラがいい！」
「待って待って！眠りの森の美女は？目覚めのキスするやつ」
「お前なんでそんな詳しいの」
「Aさんはどう思う？」
急に私に発言を求められて視線がまた集まった。
みんな何かに期待しているような表情だ。
怖い。なんて言うのが正解なんだろうか‥‥‥。
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月23日 11時
