今日もカノジョは世界一可愛い！2【Raul】 (ページ20)

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61話ページ20

気づいたら部屋中の大道具がオレンジ色に照らし出されていて、もう下校時刻が近づいていることを知る。
結局誰も帰ってこなかったな。
みんな飽きて帰ってしまったんだろうか。

「あ‥‥‥Aちゃん。見て？」

村上くんがぽつりと溢した声に反応してその目線の先を私も辿った。

「わ‥‥‥‥綺麗」

目の前に広がるのは夕日だった。
遠くから太陽が街一帯を照らし青い空と白い雲に浸食していくオレンジ色が幻想的で、まるでアニメーションみたいな景色。

その景色を見て私はすぐさま携帯を取り出してカメラを向けた。喜んでくれるかな。

「‥‥‥？なに、してるの？」

「前話した友達にね、この景色見せたくて」

「‥‥‥‥」

「楽しかったこととか美味しいご飯とか綺麗な景色とか。そういうの、一緒に共有したいなって思っちゃうの」

「返信、来てないのに？」

「うん。何がきっかけで連絡を貰えるか分からないからさ？当たって砕けろ作戦」

「なんで、そこまで」

「‥‥‥初めて出来た友達だから」

「え？」

「‥‥‥感動を分かち合いたいと思うし、何かあったら真っ先に報告したいと思うし、何より会いたいって思う。‥‥ただ大切な存在なの。失いたくないんだ」

「‥‥‥おぉ、そっか」

「ごめんね。気持ち悪いよね？舞子ちゃんもさすがにしつこいって思ってるかも、」

「ううん、舞子ちゃんだって会いたいって思ってるよ。だってこんなに良い子だもん、‥‥‥‥Aさん」

分かんないけどね、多分。
と今にも泣きそうな顔で村上くんが笑った。