30話 ページ30
「じゃあここの問題の答え分かるやついるか？‥‥‥渡辺。渡辺！！」
「‥‥‥もう食えないよママ」
「誰がママだゴルァァァァ！！！！！」
「んぇ‥‥‥？あ、やべ」
「お前補講で寝るなんていい度胸してんな。‥‥‥ここの問題、答えてみろ」
「えっと‥‥‥」
「√2だよ(小声)」
「√2です」
「うん、正解だ。ただ自分で答えないと意味ないんだぞ？村上」
「‥‥‥すみませーん」
「あとお前補講対象者じゃないだろ。なんで来てんだ？岩本も向井‥‥‥はいいとして」
「ちょーーーーい！！！！俺はいいってどういうことすか先生！」
「あぁもうやかましい‥‥‥なんでお前ら4人揃って来てんだよ！」
夏休みも終わろうとしている今日。
しょっぴーが補講を連日サボっていたことが発覚した。
その時4人で集まっていた俺たちはしょっぴーを学校まで連行することにしたわけ。
だってこれで罷り間違って留年‥‥とかになったら嫌じゃん？4人で3年生になりたいもん。
それに俺個人としては勉強してる方が気が紛れるからちょうど良かった。
「ハァ〜‥‥‥もうマジで無理。俺今何言われても頭に入んないから」
「ハハ、お疲れ様しょっぴー」
「自分が悪いんやろ？馬鹿やから」
「ちょ、ストレートすぎだろ。オブラートって言葉知らねぇの？」
「おぉ、翔太もオブラートって言葉は知ってんだな。馬鹿なのに」
「はい、カッチーン。お前らまとめてかかってこいや」
しょっぴーがファイトポーズを取ってそれに応えるように岩本くんと康二くんも構えていたけどなんとなくそこに入る気になれない。
そのままぼーっと廊下を歩いていると掲示板にチラシが貼ってあるのを見つけた。
「‥‥‥夏、まつり」
「ん？おぉ！もうそんな時期やん！今年も4人で行こうや」
「いいな。ほら翔太も。夏祭り行くだろ？」
「‥‥‥行くに決まってんだろ」
「ラウールは？‥‥‥ラウール？」
夏祭り、
Aちゃんも毎年このお祭りに行っていたのかな？
いや、今まで友達いないって言ってたから行ってないかもしれない。
いやいや、阿部ちゃんがいるじゃん。阿部ちゃんがどうせなんやかんや理由つけて毎年誘ってたりして。
そんなの‥‥そんなの
「絶対嫌だ」
『え』
突然声がして見てみると3人がもっっのすごくショックを受けたような顔をしている。
‥‥‥ん？どういうこと？
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月6日 13時
