19話 ページ19
あの後3店舗ぐらい回ってAちゃんは真剣に俺の洋服選びに付き合ってくれた。
途中申し訳なくなっちゃって、
「ごめんね、こっちの洋服選びにばっかり付き合わせちゃって‥‥つまんなくない？」
て聞いたんだけどAちゃんは大きく首を横に振って
「何言ってんの‥‥！こんなの憧れのシチュエーションじゃん！舞子ちゃんと一緒にお買い物できて私すっっごく楽しいよ。だから、今日も誘ってくれてありがとう！」
そう言って笑ってくれた。
前から思ってたけどAちゃんってほんっっとうに良い子。俺たちのクラスじゃなければ友達なんて一瞬でできただろうに‥‥。
少し同情が湧いてきてしまったけど素直に感謝しようと思った。ありがとう、Aちゃん。
両手にはいっぱいの紙袋。
中身は勿論どれも女物の洋服たち。
今までで一番ときめかない買い物だったけど、今までで一番楽しい買い物だったかもしれない。
「今日もすっごく楽しかった！誘ってくれてありがとう舞子ちゃん」
「え‥‥！？こちらこそだよ！こっちにばっかり付き合わせちゃって」
「もう、言ったでしょ？自分のじゃなくたって友達と一緒に買い物っていうシチュエーションが楽しいんだから」
「そ、そっか。なら良かったぁ」
「‥‥‥はぁ、にしても舞子ちゃんと話してるといつも時間があっという間に過ぎちゃう」
「ね〜もっと沢山遊べたら良いのにね！」
「‥‥‥舞子ちゃんもそう思ってくれてる？」
「‥‥‥？うん！もちろん！！」
「えへへ、嬉しいな！」
Aちゃんはやっぱり笑った顔が一番可愛い。
今日は前と違って寂しそうな顔をすることもなく笑顔で別れられた。
次会うときに何を着ていったらAちゃんは喜んでくれるかな‥‥‥。
あ！そうだ！
今日買い物中にこっそり撮ったAちゃんの写真アルバムに送ってあげよ！
むらかみ
『今日は買い物付き合ってくれてありがとう！めちゃ楽しかったよ🥰』
『むらかみがアルバムを作成しました』
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作者名：Haniko | 作成日時：2022年11月6日 13時
