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茉由は高校の同級生で卒業してから付き合った
一年ちょっとしか経ってないけど、それぞれ互いの仕事が忙しい中で会う時間を確保するためにも半同棲をしてる
店先に停めてあったネイビー色の茉由の車に乗り込み、慣れた手つきでナビを操作するその指先をずっと眺めてた
店から家までは少し距離があるため、いくつかの信号を越え、丁度良い温度と心地よい音で睡魔が襲ってきた時、それは茉由の一言で阻止された
「どうしたの?いつもはこんな酔うまで呑むことないのに…。何かあった?」
一瞬、どう答えようか迷ったが「なんもないよ」と惑わされた心を見せないように平気な振りをした
心配してくれてるのだろうけど、聞いといて静かになったな…と隣を見てみると
そこには不安げにハンドルを握る茉由がいた
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俺が彼女にこんな顔をさせてるのか
別に隠してるわけじゃない
けど不安にさせてるのも事実
君には関係ない。はい、終わり
それでは誰も納得しないでしょ
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実はもうすっかり酔いは覚めている
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少しだけ昔話をしようか。
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作者名:彗星 | 作成日時:2020年5月22日 23時