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「でも、大学こそ出会いあるでしょ」
「…女子短大なんです」
「あーそれは、ちょっと厳しいか」
「…」
静かな車内に流れる少量のBGMをさらにボリュームを下げて先輩がこっちを見る
「危ないですよ」
「赤信号」
「もう青になります」
「……そこ、停めるから」
家はまだまだ着きそうにない
近くのコンビニから漏れる光が店よりだいぶ遠くに停めたはずのここにまで届く
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「Aってさ高校時代誰かと付き合ってた?」
「…誰とも」
「大学入ってからは?」
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「まだ…付き合ったことないんです…。」
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一番聞かれたくない質問だった
19にもなってまだ一人も…なんて恥ずかしすぎていつしか恋バナはしなくなったし、その話が振られたら嫌でいつも逃げてた
周りはみんな大人になっていくし
話がついていけないのも怖かったし
いつからか自分の恋愛事情を隠すようになった
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作者名:彗星 | 作成日時:2020年5月22日 23時