【名前変換オリジナル】でも付き合ってないんです。

22.競技練習2 ページ23

いつも落ち着いている颯くんが楽しそうだ。
元陸上部らしいので楽しいのかもしれない。

｢いやぁ、かっこいいね？｣

さっきからこればっかり言われる。これで何回目だろうか。

｢うん。｣

だんだん返事が雑になっていく。
確かにかっこいいが、それはもうわかっているので、

｢颯くんがかっこいいのは知ってるから…｣

と言うと、隣の友達が恥ずかしい一言。

｢惚気かな？可愛いねぇ。｣

｢惚気…！？ちがっ…！｣

恥ずかしいので全力否定した。顔が熱い。

｢もう、恥ずかしがらなくていいのにー｣

そんなことを言われても恥ずかしいものは恥ずかしい。
と、思っていると、再びスタート地点に颯くん。

｢…あ、また颯くんが走る。｣

二回目、旗を持った人の合図でスタート、一気に加速、瞬く間にゴール。
やはりかっこいい。かっこいいのだ。

｢走ってる時はかっこいいけど走り終わった後の笑顔はちょっと可愛い。｣

徐にそう呟いた瞬間、隣の友達が叫んだ。

｢最高かよ！！｣






二回走ったら休憩らしい。
短距離の人たちが日陰に集まってきた。

｢眼鏡ありがとう。また走ると思うから持っといて。｣

｢うん。｣

シャツをぱたぱたさせながら颯くんが隣に座る。
何か話したいと思ったので、

｢か…かっこよかったよ。｣

と言ったが、予想以上に恥ずかしかった。

｢ありがとう…｣

そして沈黙。






｢ねぇ、あの二人初々しくて好き。｣

｢うん。めちゃくちゃ応援する。｣

｢わかる。｣

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