想・定・外！ ページ12
.
忘れてたわけじゃないけど、忘れてた！
何で今お腹が鳴るんだよ！
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい！
お腹が鳴る音を聞かれた！
もうお婿に行けない！
恥ずかしさの極みに達し、両手で熱くなった顔を隠してソファに突っ伏した。
でも、顔を秒で押し付けたソファからは、例の美味しい匂いがしてお陰様で空腹が更に刺激されまくって、もう恥ずかしいとか言ってられなかった。
背に腹は代えられないと腹を括った僕は、ガバッと頭を上げ、離れた所に立っている彼女に向かってしゃべりかけた。
「僕、ジミンって言います！助けていただきありがとうございます！あの！すいません、一生のお願いがあるんですけ、」
ここまで勢いだけでスラスラ言ってしまって気が付いた。
「れ、ど……」
貴女の血をひと口下さい、なんて言えない。
言ったら絶対変人扱いだ。
下手すりゃ警察沙汰……。
『目立つな、潜め、警察には目を付けられるな。』
ヒョンからしつこく言われていた言葉を思い出し、
「…………」
たらり、冷や汗が伝った。
そもそも女の子に拾われるなんて想定外すぎるでしょ？！
あー！もうっ！いろいろなシチュエーションの声の掛け方をもっとヒョンに聞いておけばよかったっ！！
てか、こういうシチュエーションなんて、きっとあのヒョンでも想定外だ！
ヒョン、こういう時どうすればいいんですかぁ〜〜〜？！！
「……あの〜、」
先の言葉の続きをどう言おうか頭を抱えた僕に、恐る恐る声を掛けてきた彼女。
「おなか、空いてるんですか？」
「え！あ、は、はい！実はそうなんです。もう何日も頂けてなくて」
頂けてないのは人の血なんですけど。
「あの、何か、ちょこっと作りましょうか？」
「ええ？！いや、悪いです、そんなっ！作らなくても･･･」
「僕は貴女の血をひと口頂ければそれでいいんです！」
……なんてこと、この状況下で口が裂けても言えない僕は、
「おかゆ程度の消化にいいものだったらすぐに作れますから」
「はい･･･すみません。ではお言葉に甘えて……」
頭を下げて、親切な彼女のご厚意を賜るしかなかったのであった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1119人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あがしおん(プロフ) - syky1814さん» コメントありがとうございます。間もなくパス外して更新しますので、もうちょっとだけお待ち下さい〜。 (2020年6月13日 21時) (
レス) id: 4017986d72 (このIDを非表示/違反報告)
syky1814(プロフ) - はじめまして結婚してくださいのパスワードを教えてください。 (2020年6月13日 21時) (レス) id: 1e639eab67 (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - kinanekoさん» コメントありがとうございます！何だかガッツポーズが見える気がしてきましたｗそんなに喜んでいただけると作者冥利に尽きます。ありがとうございます、ぼちぼちっと頑張ります♪ (2019年1月3日 22時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
kinaneko(プロフ) - あがしおんさんの新作を見つけた時、「来た……!!!!よっしゃ！」と思いました！今年もいろんな作品が見たいです！頑張ってください！応援しています！ (2019年1月3日 21時) (レス) id: 6812edf24f (このIDを非表示/違反報告)
あがしおん(プロフ) - ARMY&CARATさん» 私の拙い作品を気に入っていただけて、ありがとうございます！マイペースですが、更新頑張ります！ (2018年12月29日 2時) (レス) id: 1e736e073a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あがしおん
| 作成日時：2018年12月25日 0時
