6回目 ページ19
狙い通り、ジョウはあれから私を指名してくれるようになった。
しかも、こちらが驚くほどの利用頻度で。
初めて会った日から10日しか経っていないのに、ここに来るのはもう6回目だ。
もちろん、素性のわからないデリ嬢になんでもかんでもしゃべるほどジョウはバカじゃない。
何度かそれとなく探りを入れても、決まって核心的なことは隠されてしまう。
「まーじでかわいい」
鏡の汚れひとつない、掃除の行き届いた脱衣所でジョウに抱きしめられた。
きっちりと仕立てられた紺地のスーツに顔をうずめようとした──その刹那、甘くてどっしりと重い、それでいてタバコのような不快で独特な匂いが鼻を突いた。
今まで嗅いだことのないなんとも言えない匂いに、ほんの少し顔を歪めた私。ジョウはそれを見逃さなかった。
「どうした」
「お香か香水を使いました？」
質問に対して質問で返されたジョウは、顎に手を当てて目を泳がせたあと、「あ」と声を発した。
「たぶんそれは
「葉っぱ？」
もしかして、と思ったけれど敢えてカマトトぶってみる。
「わからない？
予想通りの答えが返ってきた。
ここは一旦、否定も肯定もしない返しをして様子を見るのが良さそうな気がした。
「へぇ。ちょっと気になるんですけど、
「いやいや、おれはやんないよ。
眉を下げて笑うジョウ。
「おれはこの辺り一帯の
「なんかかっこいい！ やっぱりジョウさんって魅力的ですね」
ときめく様子を演じながら、内心「なるほどな」と思った。
おそらく、ジョウはマフィアかマフィアと繋がりのある人物だ。それもけっこう地位が高い人物。
やたら裕福な生活をしているのにはそういう背景があるのかもしれない。
ベッドに入ったあと、私はもう一度探りを入れた。
「今日はいつにも増してストレス溜まってません？」
「かもな。潰したい奴がいるからかな」
笑い混じりに言う。この人が言うと冗談なのか本気なのかわからない。
「やだ……物騒なこと言うんですね」
「部下が海兵にしょっぴかれてんだよ。そいつのせいで」
ジョウは、貪るように私の首に唇を押し当てる。
「そいつは、ロロノア・ゾロって奴なんだ」
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miku(プロフ) - 桜さん» 最後まで読んでくださってありがとうございます！最近はなかなか執筆できていないのですが、今でもこうしてコメントをいただけるとまた時間のあるときに書いてみようかなという気になれます😭🫶🏻 (2022年11月14日 17時) (
レス) id: 761cc2fde5 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - とっても、素敵な作品でした。 これからも頑張ってください！ (2022年11月12日 22時) (レス) @page33 id: a028b5c607 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 星猫さん» アニメ全然観てないんですよ、、ワンピ以外のジャンプ作品だったら銀魂と鬼滅くらいです (2021年9月8日 13時) (レス) id: fed98eab61 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2021年9月8日 7時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - 星猫さん» 最初のコメントでこんな嬉しいお言葉をいただけるなんて！高評価までありがとうございます！！ (2021年9月8日 1時) (レス) id: fed98eab61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miku | 作成日時：2021年9月4日 1時
