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gr『……ん』





彼が目を覚ますとそこはいつもにぎわっている


我々国の街中だった。



グルッペンはさっきまで自分の部屋にいたのに


何故ここに立っているのかわからなかった。


意識もはっきりしており、自由に体を動かすこともできた。



手には思い出のストラップが握りしめられていた。



するとグルッペンはあることを思い出す。





gr『確か……これを買った雑貨屋はここから…近かったな…』





そう言うと彼はその雑貨屋に導かれているのかのように


無意識にその雑貨屋へと足を運んでいた。



何故かさっきまであった眠気はなかった。


ただし辺りで屋台がでているのにも関わらず、


匂いがなにもしない。


そして誰も自分の存在に気づいていないのかのように


過ぎ去っていく。


前から来る通行人も自分をすり抜けて行ってしまう。



頭の良い彼はすぐにここが夢の世界なのだと把握した。



すると_____________________





「グルッペ〜ン!!はやくはやく!!!」




gr『…!?』





もうすぐそこの雑貨屋の前から聞き覚えのある声が聞こえる。


すり抜けるのにも関わらず、人込みをかき分け


雑貨屋の前へと必死に走る。



彼にとってはその声がとても大事な存在の声に聞こえたからだ。


聞き覚えがある。1週間前までは確かに毎日聞いていた声。





gr『はぁ……はぁ………』





雑貨屋の前まで来た彼が目にしたのは。



自分そっくりな人物と、


戦"死したと報告されたはずの彼女。"A"がそこにはいた。





gr『A……!!』





彼は無意識に彼女の方へと手を伸ばしていた。


自分の存在は人には見えていないと知っているのに。



すると。





チラッ…





gr『……!!A…!』





確実に彼女がこちらを向いた。



もしかして見えているんじゃないか。



そんな希望を抱き彼はあと少しの距離の彼女に駆け寄る。



だが、





「グルッペン!!私あのパフェのストラップ欲しい!」




gr「ん?あぁ。これか。美味しそうだよな」




「そういうことじゃない」





彼女は何事もなかったかのようにストラップの方へと顔を向ける。


やっぱり。彼女には自分の姿が見えていないのか。


そう思った彼は伸ばしていた手を下げ、


その光景をただただ眺めていた。

夢→←起



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ゆん - 夢の中であった所泣きました。いいお話でした続きを楽しみにしております頑張ってください。 (2019年3月23日 7時) (レス) id: a02a70e128 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - 泣きました。このお話良かったです!これからも頑張ってください!Twitterも見させてもらいます! (2019年3月23日 1時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:医科村 | 作者ホームページ:https://twitter.com/ikamura0214  
作成日時:2019年3月22日 14時

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