44話 調査報告は ページ44
東京ある古いビル。
ここにはエレベーターが無い。
軽快に階段を上る青年が一人。
彼は探偵の三宅だ。
城島弁護士が和也に紹介したあの彼。
電話の通話だけで会ってはいないが。
紙袋を片手に3階隅部屋のドアを開ける。
「帰ったよ〜。コーヒーとドーナッツを買ってきたけど食べる？」
「んー」
小さな一室。
二つの事務所机と来客用の応接セット、大きめのファイル棚だけのシンプルな空間。
社長と呼ばれた青年は応接ソファーに座り書類を確認していた。
「新作のドーナッツにした」
「ん」
「ここに置いておくよ」
二つ向かい合わせの事務机に紙袋を置く。
「なぁ健、この書類は郵送するのか？」
「え？何の書類よ」
紙袋から紙カップを取り出す。
コーヒーをすすりながら社長と呼ぶ青年の背後から書類をのぞき見た。
「あぁ大野さんちのね。電話連絡で軽く報告して書類は郵送しまーす」
書類を封筒にしまう。
社長からお封筒を受け取ろうとする健こと三宅。
何故か社長は封筒を掴んだまま。
「渡してくれないと郵送できないよ？」
「あのさ健、慰安旅行に行かね？」
「は？何突然」
「たまに従業員をいたわろうと思って」
従業員？
ここの探偵所で働いているのは
「俺と剛つんの二人だけでしょ」
社長の森田剛と副社長の三宅健のみ。
「この書類は送らなくていい。俺らが運ぶ」
「はい？」
「旅行先は北海道、調査内容は現地で報告すると向こうに伝えてくれ」
「はい？」
森田は書類を自分の机に置く。
「え？行くの？北海道に？マジで？」
「それと報告先を一つ増やす。てな訳で空港チケットよろしく。ホテルは予約なしでいいわ」
「待って待って待って。てな訳のとこを詳しく知りたいんだけど？」
大野家以外に調査報告する先がある？
航空チケットを用意するのに宿泊先は予約しないとはどういうことなのか？
「剛つん！」
「コーヒーはブラック？」
カサカサと紙袋野中に手を入れ探る森田。
カップを取り出すとニヤリと笑った。
北海道行きは決定事項なのだと三宅は悟る。
「楽しみだな旅行」
「何泊の予定よ？こうなったら贅沢させろよ？」
東京のあるビルでの会話。
もう一つの東京のある場所では
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むつき(プロフ) - tthisamiさん» 遅くなりましたが再開いたしました。 (8月29日 21時) (
レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
tthisami(プロフ) - 再開嬉しいです。 (8月29日 20時) (レス) @page50 id: dba9116941 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はるさん» なかなか更新できずに申し訳ないです。少しずつですが頑張っていきますので！ (2021年3月30日 23時) (レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - むつきさん、更新ありがとうございます！とても嬉しいです。続きが楽しみです！ (2021年3月23日 4時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ちぇろさん» 5人が揃いました。北の地で兄弟たちの絆をお届けできたらと思います。 (2020年10月27日 0時) (レス) id: 7a3d8c34a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2019年8月2日 23時
