22話 口が滑る ページ22
「おにいさん？」
復唱した青田氏の声に和也の口は半開きのまま固まってしまう。
二ノ宮夫人を止めようとした自分がやらかしてしまった。
「あ…の、その……」
誤魔化そうとするも動揺のし過ぎで言葉が出てこない。
「察して頂けませんかご主人」
高哉の静かな声。
「坊ちゃん……察すとは？」
察せませんよね？
判りませんよね？
和也の頭は高哉の言葉によりパニック。
「奥様もお兄さんもちょっとストップして頂いて……」
「そのお兄さんがわからないのだ」
あぁまたお兄さんと口に出してしまった。
自分も困惑しているが青田も同じ顔をしている。
「あの、あの……お兄さんのように…可愛がってくれている関係と言いますか、な、なんと言いますか」
「和也は私の血の分けた弟です」
いやん。
言っちゃったよ。
助けて翔兄と振り向くと翔は和也の腕を引き自分に寄せた。
「和、落ち着け。高哉さんにこの場を任せよう。大丈夫何とかしてくれる」
「でもっ」
「今ここには俺らしかいないから」
この場にいるのは和也に翔、青田夫婦、二ノ宮親子。
悪いうわさが広がり二ノ宮家へ迷惑を危惧し焦っていた和也。
だが噂が独り歩きする道沿いはないようである。
青田夫婦次第ではあるが。
「和也は生き別れの弟です」
「生き別れ……二ノ宮家の御次男様？何故施設に……」
「母親に連れ去られてそのまま捨てられました」
二ノ宮夫人を凝視する青田主人。
今度こそ察したようだ。
愛人の子供であると。
「育ちが悪ければ血筋も悪いとおっしゃいましたね。その通りです。うちの主人はまともな親ではないですわ」
先ほど口走ってしまった言葉にどう取り繕えばよいか青田主人は焦っていた。
自分の言葉は二ノ宮社長を批判する結果になってしまった。
「けれど和也さんはあの施設と大野家で大事に育てられて立派な人になられました」
「ご立派に、そっそうですかそれは良かった」
自分の失言が流せる。
そう思った青田主人はこの先大野和也は二ノ宮家の人間となること、兄弟二人で会社を盛り立てていくことを喜んで見せた。
「いいえ。和也さんは二ノ宮の人間にはなりません。お断りされてしまいました」
「は？何故です。二ノ宮家ですよ？名家の一人になれるのに？」
理解しがたい。
青田主人は和也に目を向けた。
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むつき(プロフ) - tthisamiさん» 遅くなりましたが再開いたしました。 (8月29日 21時) (
レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
tthisami(プロフ) - 再開嬉しいです。 (8月29日 20時) (レス) @page50 id: dba9116941 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - はるさん» なかなか更新できずに申し訳ないです。少しずつですが頑張っていきますので！ (2021年3月30日 23時) (レス) id: 56df0ba715 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - むつきさん、更新ありがとうございます！とても嬉しいです。続きが楽しみです！ (2021年3月23日 4時) (レス) id: 6cd0f843d6 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - ちぇろさん» 5人が揃いました。北の地で兄弟たちの絆をお届けできたらと思います。 (2020年10月27日 0時) (レス) id: 7a3d8c34a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2019年8月2日 23時
