＊021 ページ23
＊
結局、あたしは中学生活で初めての遅刻をした。
自分の靴見て歩いてたから気付かなかったけど
自動的に進めてたはずのあたしの足は
相当ノロノロな歩みだったらしい。
遅刻常習犯の2人に合流してしまった時点で
あ、遅刻ですよねって思える自分に笑った。
遅れたときは必ず職員室に寄らないといけなくて
初めてのことで最初はびくびくしたけど
慣れた様子の2人に付いてけば間違いないみたい。
おはよーございまぁす！って元気に挨拶して
にっこり笑顔でドアを開ける雅紀と
お前はまた遅刻かって先生に言われて
うん、風邪風邪って平気で嘘つく二宮くん。
今から怒られるはずなのに色々と可笑しくて
笑ってしまわないよう唇を噛むことに集中した。
そしたら反省してると思われたのか
全然叱られなかったラッキーなあたし。
もう朝のホームルームが終わる時間で
担任の松岡先生が来るまで待ってろって
職員室の廊下に並んで立たされる。
まるで漫画みたいな展開！
さっきまであんなに憂鬱だったくせに
調子のいい2人を前にすると
そんなことも小さい悩みに思えてくる。
うん。
そーだよね。
翔くんに謝ろう。
「A、なんで笑ってんの？」
急にそう素直に思えた自分が
本当に単純だなって思ってたら
左側に立ってる雅紀が脇をつついてきた。
「野暮だなー、相葉さんったら。
んなの決まってんでしょ？
えっちぃーこと考えてるんだってば。」
雅紀の隣にいる二宮くんの声は
ちょっと高めで廊下に小さく響く。
「ちっ、違うから！」
「え？違うの？」
「バカ！違うにきまってるじゃん！」
アワアワしてるあたしを尻目に
2人は楽しそうにゲラゲラと声を上げて
職員室の隙間からまた先生に怒られた。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉(о´∀`о)単純な作者なので、きっと今日明日にはまた何話かUP出来ると思います（笑）最後まで是非お付き合いください(^^) (2019年11月8日 10時) (
レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 実はこういったお話が凄く好きで不器用だけど真っ直ぐな皆とか何か確執みたいなものを抱えているとか…でこぼこさんの作品をもっと読みたいと思いました！ (2019年11月6日 10時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» コメントありがとうございます(*^^*)あやふやな関係やふわふわした感情に翻弄され気味の主人公が、嫌われたら可哀想だなと思っていたので、愛おしいと言って貰えたことがとっても嬉しい！櫻宮さんの言葉を励みに、また書き進めていきますね(´∀｀*) (2019年11月5日 16時) (レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 皆不器用だけど真っ直ぐで…そんなあやふやな位置関係にいる主人公が健気で愛おしくて好きです。早く次が読みたい！ (2019年11月5日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：でこぼこ | 作成日時：2018年11月29日 14時
