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返事をしてくれない翔くんを見上げながら
そーっと掴まれた手首を引く。
翔くんの手に力が入って
ギリギリと締め付ける感覚が走る。
「…翔くんっ！！いっ、痛い…よ。」
「…あっ！ごめんっ。」
両手をパーで上にあげて降参のポーズ。
見上げた顔は眉をハの字にして目尻も下がって
ちょっと困ったときのいつもの翔くん。
あ、良かった。戻った…。
「ね、ねぇっ。
ど…したの？今日なんか変だよ…？」
「…ごめん。困らせるつもりじゃなかった。
なんて言うか…俺が勝手にちょっと焦っただけ。」
「え、あ、ううん。ちょっと…えっと…。
いきなりでビックリしただけ…だよ？」
「いやホントごめん。痛かったよな。
はぁー。なんか情けねぇな、俺。」
何ともなってないあたしの手首を撫でながら
ははって乾いた声が小さく地面に落ちる。
さっきまでの威圧感がなくなった翔くんは
ガッチリしてるはずの体が一回り縮んで見える。
「な…なんかっ。ご…めんね？」
「なんでだよ。Aは悪くねぇよ？」
もっと気の利いたことが言えたらいいのに
最近翔くんに申し訳ない顔ばっかりさせてる。
はぁーって溜息をつきかけちゃって
そのまま息を吸い込んで深呼吸に切り替えた。
すーはー。これで幸せは逃げない。
視界の端にクスッと笑う翔くんが映る。
「Aって出会った頃から全然変わんねぇな？」
そう言った翔くんの瞳は優しくて。
口角をきゅっとあげた笑顔に
ザワザワしてたあたしの心も穏やかになる。
「…それって褒められて…る？」
「ん？あー褒めてる。すっげぇ褒めてるよ。」
「ウソくさい…笑
成長してないって意味じゃなくて？」
「はははっ。いや、そーは言ってねぇよ？
かといって否定もしないけども。笑」
優しい翔くんから一転。
片方の口角をクイッとあげて…悪い顔だなぁ。
あたしの方がお姉さんなのにって言いながら
逞しい二の腕をわざと大げさにペシンと叩く。
あたしの弱っちぃ攻撃を受けながら
大きな口をあけて豪快に笑ってる翔くん。
「嘘々。んなこと思ってねーよ？笑
相変わらず可愛いなってこと。」
ニッて笑ったかと思うと急に立ち上がって
あたしの頭を大きな手でわしゃわしゃ撫でた。
付き合う前の雑な扱いみたいで安心して
さっきみたいな感じのじゃなくって
今度はホントにちゃんとドキドキした。
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でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» ありがとうございます！とっても嬉しいお言葉(о´∀`о)単純な作者なので、きっと今日明日にはまた何話かUP出来ると思います（笑）最後まで是非お付き合いください(^^) (2019年11月8日 10時) (
レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 実はこういったお話が凄く好きで不器用だけど真っ直ぐな皆とか何か確執みたいなものを抱えているとか…でこぼこさんの作品をもっと読みたいと思いました！ (2019年11月6日 10時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
でこぼこ(プロフ) - 櫻宮さん» コメントありがとうございます(*^^*)あやふやな関係やふわふわした感情に翻弄され気味の主人公が、嫌われたら可哀想だなと思っていたので、愛おしいと言って貰えたことがとっても嬉しい！櫻宮さんの言葉を励みに、また書き進めていきますね(´∀｀*) (2019年11月5日 16時) (レス) id: deca25d402 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 皆不器用だけど真っ直ぐで…そんなあやふやな位置関係にいる主人公が健気で愛おしくて好きです。早く次が読みたい！ (2019年11月5日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：でこぼこ | 作成日時：2018年11月29日 14時
