結婚式はこの教会で (gr) ページ16
gr「やぁ、シスター」
『こんにちは』
2週間に一回、ここの教会の共同墓地へ名を備えに来る彼。私がここのシスターになった頃にはもう来ていた。どうやら西国の兵士たちが眠っている墓に献花しに来ているらしい。
『グルさん。今日はなんのお花なんですか？』
gr「今日は百合にしてみた。」
この教会は立地の関係で訪問者が少ない。西国と東国の国境線上に建つこの教会はどちらの国も攻撃しないという条約が一応結ばれている。どちらの国の兵士もここに眠っているからだ。しかし条約などいつ破られてもおかしくない。ここの共同墓地に用のある人間以外は近づかないのだ。
そんな中、唯一定期的に訪ねてくる美形の彼。彼の名前は"グル"というらしい。珍しい名前だ。正直この教会のシスターは私だけなので彼が来てくれないと暇なのだ。
彼が来る度に私たちの距離は段々と近くなる。ここに初めてやってきた春はお互い距離もあり挨拶ぐらいしかしなかったが、夏が来て、秋が来て、冬が来て、そしてまた春が来た時、私たちの距離は0に近かった。
gr「シスター殿。あなたは西国の総統のことをどう思われる？」
ある日グルさんが突然聞いてきた。西国の総統といえばグルッペン･フューラーの事だろう。私は正直に答える。
『そうですね…傲慢な偽善者、という所でしょうか』
gr「…ほう」
『ここに共同墓地を作ったのは破壊されず、皆が安心して献花しに来ることができるようにということだったとお伺いしていますが当の本人は全く来ない。その上欲しいと思った国には片っ端から戦争を吹っ掛ける。正直国を統べるものとしてどうなのかと思います。』
そういうと彼は少し俯き、そうか と呟いた。
『グルさんは東の末姫のことをどう思われますか？』
同じような質問で返す。
gr「そうだな…頭の切れる賢い傲慢な姫というところだろうか。事実東国の政治を裏で仕切っているのは末姫だ。彼女の政策は素晴らしい。だが、傲慢なところもある。現に彼女は自身のわがままで城を離れどこか田舎で暮らしているらしい。」
やけに東国…うちの国のことに詳しい。
『よくご存知なのですね』
そう言い微笑むと彼は少し不味そうな顔をしながら「西国の兵士に友人がいるんだ。」と言った。
一般兵でも知りえない情報を話してくれる友人？
私は少し疑い深い顔でグルさんを見た。
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鯉口(プロフ) - 赤羽 紫音さん» コメントありがとうございます！ (2020年4月4日 3時) (
レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
赤羽 紫音 - 凄い！ (2020年4月4日 2時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ノアさん» 主催者の鯉口です。コメントありがとうございます(*^^*)まだまだ続きますので更新をお待ちください！ (2020年2月29日 1時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ノア - めっちゃ好きです！ 文才分けて欲しいぃ((( 毎日、楽しみにさせてもらってます！ 更新頑張って下さい！ (2020年2月25日 22時) (レス) id: 47bc0266fa (このIDを非表示/違反報告)
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