【5】お見舞い ページ35
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翌日、チーノはゾムに会いに行った。
翌日からは通常運転で明るく振る舞うゾムに、チーノは敢えて真剣な顔を隠さずに、彼の目の前に立った。
ゾムは、何かを察して新人幹部の言葉を待った。
「ゾムさん、俺――」
――兵士になって、あなたと一緒に戦いたいです
「……生身の時と違って、鉱物の身体は強くならへんわ。望みはない」
「自分だけの特技を探せって言ったのは、そっちでしょ」
「撤回する。探したとしてもお前は隊にいれへん」
「そのときは、その言葉を撤回させますから」
ゾムの睨むような視線を、チーノはまっすぐ受け止めた。
琥珀の瞳がゾムを射貫く。
ゾムは何も答えずにじっとチーノと目を合せていたが、静かに瞼を伏せると、顔を背けてしまった。
「そのときが来ないことを、祈っとる」
それだけ言って、訓練場に踵を返した。
ゾムの背中をじっと見つめて、チーノは考える。
(自分の特性を知ること……。
まずはそこからや。鉱物に詳しい奴を探してみよう)
最初に浮かんだのはエーミールだった。
彼の体質はかなり特異なもので、献身的な性格が仇にならなければ有能な兵士になってかもしれない。
少なくともチーノにはそう見えていた。
日常業務もあるため、図書室に向かうのはちょうどいいのかもしれない。
チーノはさっそく進路を図書室に向けた。
＊
図書室に向かっている途中、官邸の三階の廊下で、チーノは突如響いた銃声に驚いた。
慌てて窓を開けて外を見回せば、一階の小さな射撃場が目に入る。
そこには例の銃声の主と思われるものを持った、同期の幹部がいた。
「ショッピ！」
ショッピ、と名を呼ばれた幹部は、チーノの声を聞いて彼の居場所を探したが、視線を上に向けると、チーノがこちらに手を振っているのを見つけた。
チーノは、おーい！ と呼びかけながら右手を振っている。
ショッピは特に何かを言うわけでもなく、小さく手を振り返すだけだった。
彼が持っている黒い大きな銃は重そうだった。
ショッピがそのまま射撃に戻ってしまったので、チーノも手を下ろして外に乗り出していた身体をひっこめた。
いきなり大きな音が響いたから驚いたが、冷静に考えればこのようなことをするのはショッピしかいない。
(今日は銃を使ってもいい日だったんか)
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鯉口(プロフ) - あきらさん» コメントありがとうございます！最初の注意事項の項目を読んで察していただけると幸いです (2022年7月20日 0時) (
レス) @page1 id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 宝石の国、、、、？あっいつも見てます頑張ってください (2022年7月19日 18時) (レス) id: 59a8197af5 (このIDを非表示/違反報告)
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