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 しんぺい神は作業を再び続けた。
特殊な糊で身体をくっつけて、細かいヒビを一つ一つ埋めていく。




 足りない場合は比較的重要視されない髪の部分を利用し、最終手段として自然に取れたものを義手のような形で代用する。
これも、彼が見つけて実用化させた技術だった。




重さや動きにくさは残るが、一生目覚めず動けないままよりはマシだった。




 しんぺい神は、できるだけ全ての破片を持ち帰ってくるように要求している。
そうでないと治療がほぼ完璧に出来ないからだった。





「いつも思いますけど、器用ですよね」
「そうするようにしたんだよ。
俺は医者だからね。命を救うのが仕事だ」





 医者という責任感が、この身体での医術の技術を生み出していたのは事実である。
もはや宝石職人なのでは、と心内で思ったチーノは、しんぺい神の繊細で震えた指先を見つめる。




「義手、というのは、やはり扱いにくいですか」
「そうだね。その人によって腕の太さも違うから。
……宝石になった身体でも、代りの腕や足が使えるのはかなり不思議なことだけれど」





 これも、月の人の技術によるものなのかな、としんぺい神は呟く。





「でも、なるべく代りのものは使わないようにしているよ。
人間に戻ったときが怖いからね。
だからなるべく、破片は持ち帰ってくるように言ってある」





 しんぺい神の手には、腕の形をした身体の一部が抱えられていた。
それを、持ち主の身体に繋げると、彼は祈るように両手を組んだ。




 この祈りに何か意味があるかと問われると、正直ない。
しかししんぺい神は、祈ることで早く意識が戻るような気がするのだと言っていた。




「俺の体質、知ってるよね」
「ラリマー。
世界三大ヒーリングストーンの一つでしたっけ」
「そう。浄化の力を持つとされてる石だよ」





 ラリマーという石は、持つ者に対して精神的な幸福をもたらす石とされてきた。



 愛好家の間ではかなりの人気であったためか、ラリマーの体質になったしんぺい神は、月の人からも狙われやすかった。





 美しい青空の模様は、一際関心を引くのだろう。
硬度5という、高くもない身体の強さもあり、しんぺい神はそのまま軍医として落ち着くことになった。

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鯉口(プロフ) - あきらさん» コメントありがとうございます!最初の注意事項の項目を読んで察していただけると幸いです (2022年7月20日 0時) (レス) @page1 id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 宝石の国、、、、?あっいつも見てます頑張ってください (2022年7月19日 18時) (レス) id: 59a8197af5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鯉口 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年5月17日 0時

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