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チーノの心配は悪い結果で返ってきた。
遠征に出た兵士の数人が月へ連れて行かれ、途中前線へ出た陸軍のコネシマも腕を負傷したらしい。
五体満足で帰ってきたものの、被害は小さくなかった。
今回の戦争は長引いたらしく、彼らの帰還には三週間の時間がかかっていた。
負傷者が医療棟へ運ばれている時、同じく帰還したゾムは静かだった。
ロボロも彼の側に立っているだけで、何も言わない。
聞かずとも分かることだった。
月に行ってしまった兵士のほとんどが、彼が育てた新人たちだったのだ。
ゾムは、もう慣れた、と言う。
けれどそのように見えないのは、きっと自分だけじゃない、とチーノは思っていた。
静かに佇んで、遠くを見つめているゾムの後ろ姿に、それは祈っているのか、憎んでいるのか、はたまた両方か、きっといろんな気持ちが混ざっているのだと察する。
暫くすると、軍基地の中庭には誰もいなくなっていた。
ロボロも兵士に呼ばれたらしく、姿はない。
ぽつん、と立っているゾムの後ろにいるのはチーノだった。
チーノはなんて言葉をかければいいのか、未だ分からずにいた。
チーノだけではない。
ロボロがそうしたように、皆、ゾムの側にいるか、静かに見守るかの選択をしていた。
しかし、今日は、とチーノが口を開いた。
「ゾムさん」
しかし出てきた言葉は、彼の名前だけだ。
ゾムは呼びかけに応えなかった。
「ゾムさんは、この結果になっても戦うって、決めたんですか」
かける言葉としては、正解ではないだろう。
しかし下手な同情や慰めはもっと不正解だ。
「……そうや。
分かっていたけど、俺はこの組織を作った。
低硬度でも戦いたいっていう、強くて脆い奴らの生き場所を作ってやりたかった」
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鯉口(プロフ) - あきらさん» コメントありがとうございます！最初の注意事項の項目を読んで察していただけると幸いです (2022年7月20日 0時) (
レス) @page1 id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 宝石の国、、、、？あっいつも見てます頑張ってください (2022年7月19日 18時) (レス) id: 59a8197af5 (このIDを非表示/違反報告)
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