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「はぁ〜。俺が兵士になれる日は来るんでしょうか……」
「知らん」
「直接的すぎません？」
「硬度が低すぎるから難しいかもな」
「そうやって塩こしょうを傷口に塗るのやめてくださいよ！」
仁王立ちでいるロボロは、心ない言葉をチーノに向けた。
半分ほど本音であった。
「ロボロさんだって、大して身体の硬さは変わらないじゃないですか。
たった1しか変わらないくせに」
「うっさいわ。たった1でも、お前にヒビをいれられるんだからな」
「うっわ、パワハラだ。暴力で解決しようとするの反対！」
弓の矢の先を向けたロボロに、チーノはわざとらしく大きな動作で怖がった。
矢じりがキラリと光っている。
ロボロが静かに矢を降ろし、ふっと息を吐く。
「俺だってお前と大して変わらへんねん。
俺の身体は、一般的には宝石とされてきたけど、鉱物じゃない。
いわば有機物。雨には滅法弱いねん」
だから皆ほど万能ではない、とロボロは言った。
ロボロの身体はかなり特殊であった。
彼が変化した身体の石は、宝石とは呼ばれているが、正確には鉱石ではない。
彼の身体、珊瑚石は、昔から宝物として扱われてきた有機物だったのだ。
そのため、構造的な問題で酸性のものには弱く、特に雨の日は外には出ることが出来なかった。
加えて硬度も、チーノとほとんど変わらないため、本来ならば戦闘員向きではないのだ。
そんなロボロが、なぜ特攻隊として戦争に出向いているのか。
チーノはそれが謎だった。
「俺は、弱いままでいたくなかった。だから自分だけの特技を模索したんや」
「また特技ですか……」
「俺とゾムはそうやって生き残ってきた。
チーノ。お前はまず自分に何ができるかを探すことやな。
こればっかりは焦っても仕方ないんや。
俺だって、弓を会得するのに何年もかかった。
お前にはお前だけの強みがあるんちゃうか？」
チーノは黙った。視線を俯かせて、訓練場の砂を見つめる。
特技。
簡単には言うが、抽象的なものほど発見しにくい。
五十年経つが、チーノは自分の欠点は見つけられても、美点は見つけられずにいた。
何かに取り組んでみても、すぐに割れてしまうからである。
諦めの悪さには、意地と、何も出来ないという現実に目をそらしたい気持ちがあるからだ。
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鯉口(プロフ) - あきらさん» コメントありがとうございます！最初の注意事項の項目を読んで察していただけると幸いです (2022年7月20日 0時) (
レス) @page1 id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 宝石の国、、、、？あっいつも見てます頑張ってください (2022年7月19日 18時) (レス) id: 59a8197af5 (このIDを非表示/違反報告)
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