4 ページ18
✾
「気になってたんやけど、なんでチーノはそんな戦うことにこだわるん？
戦わなくていいのは、普通嬉しいやんか」
ゾムはチーノの気持ちを十分理解しているつもりだ。
けれど、役に立ちたいと思うことは、必ずしも戦争に出ることには繋がらない、とも考えていた。
月の研究をすることも、国政の管理をすることも、十分貢献に値する。
「ゾムさんたちと同じです。
俺は、弱い自分のままでいたくなかった」
「……なるほどねぇ」
チーノの返事は大体予想出来ていた。
改めて口に出して聞くことで、確信を得たゾムが、空を仰ぐ。
「まずは自分の特性を知ることやな。
俺は、俺にしか出来ない能力があるからそれを活かそうとした。
チーノ。お前は、自分が俺たちに対して何ができるのか言えるか？」
「……溶けること？」
「ヒヒッ。それもう戦闘不能になっとるやん」
「難しいですよ〜！ 2.5の俺にある能力ってなんやねん……！」
「別に発光しろ〜みたいなもんは求めてないで」
頭を抱えだしたチーノを横にして、ゾムがロボロを呼ぶ。
ロボロはゾムの声に反応して、弓を降ろしてこちらにやってきた。
「なにしたん」
「せんぱぁい、可愛い後輩の悩みを聞いてやってくださいよ」
「はぁ？」
怪訝な顔をしたロボロは、その後輩に視線を向ける。
すると、チーノはロボロに土下座するような姿勢になり、両手で祈るように拳を彼に向けた。
びっくりしたロボロが状況をつかめずにいれば、ゾムはケラケラ笑い出した。
新兵や部下がこちらをちらちら見ている。
そんな視線も気にせずに、チーノは無いて縋り付いた。
「ロボロさ〜ん！ もう俺だめです〜！」
「なんやねんいきなり！？
おい、足首をつかむんじゃない！ 割れるのそっちなんやぞ！」
「そんなこと言わないでくださいよぉ！！」
「分かった！ 分かったから一旦落ち着けや！」
✾
人物紹介��
・ゾム
グリーンフローライト 硬度4
森林のような美しい緑色の宝石。
無邪気でやんちゃだが、硬度4の低硬度。
元憲兵。現在は陸軍から独立して、特攻隊の隊長を務める。
劈開があるため割れやすく、衝撃に大変弱い。
光、熱の刺激で起こる発光現象から、蛍火のような火花をだせる。
一人でも割と戦えるが、火花を散らしすぎると身体にヒビが入って割れてしまうので要注意。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鯉口(プロフ) - あきらさん» コメントありがとうございます！最初の注意事項の項目を読んで察していただけると幸いです (2022年7月20日 0時) (
レス) @page1 id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 宝石の国、、、、？あっいつも見てます頑張ってください (2022年7月19日 18時) (レス) id: 59a8197af5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
