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しかしゾムの願いは虚しく、チーノは懲りずに訓練場にやってきた。
「トントンにも言われたやん。ほんま諦めが悪いなぁ……」
「別に今日はもう無理言うつもりはないですよ」
「今日だけなんやな」
新人兵士に休憩を取らせている間、ゾムはチーノの隣に座る。
訓練の見学をしていたチーノは、今日の仕事はあらかた片付いたらしい。
少し離れたところではロボロが弓を射ようとしていた。
「で、何の用やねん」
「お二人に質問があって」
「質問?」
チーノは、先ほどの執務室の一件の時より静かだった。
体育座りをして訓練場の風景を眺めていたが、視線はいささか下に向いていた。
「ゾムさんやロボロさんは、俺ほどじゃなくとも、硬度は高くないし、割れやすい方じゃないですか。
なのに、どうしてそんなに強いんやろって。
戦争に出れるほどの強さを持ってるのが、羨ましくて」
「……強さねぇ」
「あ、いや。
お二人がそれだけ頑張ってきたってことなのは分かっとるんですけど、俺はどうしたら二人みたいになれるんだろうって」
――俺、器用な方じゃないんで
そう言ったチーノに視線を向けず、ゾムはぼうっと訓練場を見つめて考える。
「確かにチーノは不器用なほうやな」
「うぐっ……。はい」
「でも、俺やって最初は仲間に迷惑かけてばっかだったで。
訓練の時も毎度のごとく割れて、軍医に小言ばっか言われてたし」
「なら、俺も、いつかは兵士になれるでしょうか」
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鯉口(プロフ) - あきらさん» コメントありがとうございます!最初の注意事項の項目を読んで察していただけると幸いです (2022年7月20日 0時) (レス) @page1 id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
あきら - 宝石の国、、、、?あっいつも見てます頑張ってください (2022年7月19日 18時) (レス) id: 59a8197af5 (このIDを非表示/違反報告)
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