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A「…消えないんだよ。これだけ、経っても…」





消したいのに、消えてくれない。

消えて欲しいのに、消えてくれない。




この"椎名夏樹"という存在ごと、




"椎名"という苗字ごと、





消えさってしまえ、と。






どれだけ強く願っただろうか。







肌の出る服は着れなかった。




友達と海に行っても、プールに行っても、

ラッシュガードは脱げなかった。






体育のプールの授業は一回も出たことないし、




合宿中のお風呂も、何かと理由をつけて、




マネージャーと時間をずらして入って。




A「あなたは、私の心を殺したんだよ」





頬に一筋、涙が流れたのが分かった。

目頭がじんわりと熱くなるのを感じた。





A「…帰ってよ。」





黒尾「…A、もう…いいから」





鉄ちゃんが、さっき投げたジャージで、

後ろから私の体を包んだ。



温かい体温に包まれて、少しほっとする。



さっきまで、どくんどくんと波打っていた鼓動が、

少しだけ、和らいだ。




彼は




夏樹「ごめん…なさい…ほんとごめん…!」




今年でもう20歳になるというのに、

痛々しいほど、子供のように泣きじゃくっていた。




A「…もう、戻れないんだよ」





ジャージで私の体を包む鉄ちゃんの手を、そっと握る。





A「…私の前に、2度と姿見せないで。」


夏樹「まって……__!」




A「___…お願い」






縋ろうと手を伸ばす夏樹の手を振り払って、






深く、頭を下げた。

【知らない、知りたくない】→←…5



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カカシ(プロフ) - maria20041121さん» ご覧頂き、ありがとうございます(*´˘`*)ご期待に添えられるよう頑張ります(*´˘`*) (2019年12月10日 13時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
maria20041121(プロフ) - 国見ちゃんがいいです!笑 (2019年12月9日 23時) (レス) id: d63426a4a9 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - 国見ちゃん!!ツッキー来るか?!と思っておりました!ハイスピード更新お疲れ様です! (2019年12月8日 22時) (レス) id: a2ff188f3c (このIDを非表示/違反報告)
カカシ(プロフ) - みーこさん» みーこさん、いつも見てくれてありがとうございます。これからもよろしくお願いします(*´˘`*) (2019年12月8日 7時) (レス) id: 0f83681d36 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - わああスガ( ; ; )切ない...毎日の更新ありがとうございます! (2019年12月7日 23時) (レス) id: a2ff188f3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カカシ | 作成日時:2019年12月4日 9時

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