【及川徹】これを愛と呼ぶなら。#9

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及川「…なに、どういうこと？」



珍しい、Aからの電話。


今、コッチが昼の３時だから、向こうは今頃ド深夜の３時。






なんとなく胸騒ぎがして電話に出ると、






聞こえた、〈苦しい、〉という言葉。






A〈…徹くんが悪いわけじゃないよ〉



及川「…うん」




A〈…ただね、私にはね、〉





次に来る言葉が予想出来てしまって、

頭を抱えた。






心臓が痛いくらい音を立てる。




心臓が、痛いくらい鼓動している。







A〈徹くんは、眩しすぎるんだぁ……〉







刹那、グス、と鼻をすする音が聞こえて。





あぁ、泣いてるんだなって思った。





ただ、悔やまれることに、








______…俺は今、彼女を抱きしめてやることが出来ない








やっぱり、不安にさせてしまったのだろうか。






やっぱり、寂しい思いをさせてしまっていたのだろうか。




そうならないように、

努力してきたつもりではあったけど、



やはり、"距離"という壁は越えられなかったのだろうか。






及川「…お願い、待って、」


A〈…うん…〉




及川「必ず…必ずね、迎えにいくから、まってて。

　



　 俺は！Aのこと大好きだから！」

　




ここは道端。

突然の大声に、多くの人が振り返る。







それでも、






そんなこと、気にしてられない。









A〈…うん…、でも、もう…ダメかも…〉







それは、俺の心をかき乱すには


十分すぎる言葉で。






ｶﾁｬﾝ、と通話が切れた音がして、

なんとも冷たい機械音が響いた。

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